願掛け

第1話

小学校から、今まで、ずっと坊主頭だった奴が髪を伸ばし始めた。

坊主頭、綺麗な形で撫で心地も良くて気に入ってたのに。

残念な気持ちで、伸ばし始めた理由を聞く。

「願掛けみたいなもんだよ。」

目を合わせずに答えられた。

願掛け？

何の願掛け？

奴の髪の毛が、ロン毛とは言わないけど伸びてきた頃、告白された。

願掛けって…もしかしてこれの事かな？

「丸坊主にしてくれたら、答えてあげる。」

翌日、奴は丸坊主だった。

久しぶりに見る、今まで見ていた奴の頭。

ツルツルと綺麗な頭の形で、嬉しかった。

願掛けが、なんなのか分からなかったけど。

でも勝手に、私への告白の成功を掛けていたのかなと、思う事にした。

奴の頭は、やっばり撫で心地最高だった。