第47話蝿の王

蝿の王が、はねを、透き通った、ガラス製のような、はねを、ぶんぶんいわせる。

口を、もごもご、させる。

・・・


蝿の王は、ガラス製の、透明な、客席に、腰かける

・・・

口を、むぐむぐ、させる


笑い声、ぬけがらのような、虹色の、かたまりから、響く


・・・クトゥルフの、呼び声のように、地の底から、さそうように・・・

・・・


少女たちは、寝息を、たてている。

夢のなか・・・。


蝿の王は、脚をくむ。葉巻を、とりだす・・・。

ひとりでに、火がつく。地獄の匂いが、ただよう・・・


天使たちは、熾天使と化し、怒りの形相で、たたずむ・・・


月の、まっかな、光線が、透明な、ガラスの、車体に、乱反射し、地獄絵のように、紅い色調が、満ちる。・・・


餓鬼や、修羅のすむ、世界、そのひかりが、月を、とおして、降り注ぐ・・・

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