第9話夜明け

気がつくと、一行は、崩れた城からはなれた場所にいた。

ガルガンチュアが、朝日に照らされながら、さっていく。シルエット。

梟小人が、ぶるっと、みぶるいした。

ガルガンチュアは、うたいながらさっていく。

人の世の幸福をねがううたを。

少女は、繭をしまう。

繭のなかには、蛹がはいっているだろう。永遠に羽化することのない。

小人がはねる。猫はいない。

緑の宝石は、神秘の力で、みちびく。次の場所へ。過酷な試練へ。


都市に入る。道なき道をくるうち、少女は、魔力が、指輪と、反発するのを感じた。

悪しきやからを呼ぶ指輪の魔力は、少女の精神とは、そわない。

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