第4話異界

気がつくと、少女は、暗闇にいた。

小舟が、青く、輝く。

岸についたらしい。みんな、どこに?

探さなくては。猫は、勝手に、帰ってくるかも、しれない。

しかし、小人は、消えた。梟の頭は、暗闇には、むいているのだろう。


指輪のはなしをしよう。唐突に。

これから、活躍するから、なんたって、この物語の、テーマなんだし。

少女は、美少女なのに、これは小説だから、顔が見えない。見えないが、その美しい容姿の胸元に、金の鎖で、銀の指輪を、つけている。ネックレス。

銀の指輪には、魔法が宿っている。古い魔法で、よこしまなこころのやつが、利用すると、災いをもたらす。

少女は、その指輪を、先祖から、受け継いだ。古い血筋。魔法使いの血筋。秘密めいた、いろんなものごと。指輪は、そのうちの、ひとつ。

ドラゴン退治の剣、巨人の首、魔術書、錬金術指南書、秘密の町の行き方、・・・そういった、ごちゃごちゃに比べれば、この指輪は、たいしたことはない。

ドラゴン退治の剣なんか、触れただけで、災いを呼ぶ。

それでも、指輪に宿った力は強力で、ほったらかしておけない。悪用しようという連中が、引き寄せられてくる。

そこで、少女は、旅にでた、指輪を、破壊するために。

地の果て、この世の果て、せかいの果ての、暗黒に、捨てるため。

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