第31話 アミメキリン、探偵やめるってよ

※PV数の伸びが良すぎてテンションが上がってしまった結果がこれだよ!なパロディ多め回です。

一応シリアスにするはずだったのですが欠片も残ってないのです。ごめんなさいなのです。






 へいげんの誰かがふと思った。「持ってるジャパリまんチケットを失くしたら、どれだけのジャパリまんを食べられなくなるだろうか……」


 けもマの誰かがふと思った。「商品の数が100分の1になったら、流通されるジャパリまんチケットも100分の1になるだろうか……」



 誰かがふと思った。「生物(フレンズ)の食糧を守らねば………………」




────────────────────────────



「うーん、ハンターの三人のうち誰か一人でも見つかればって思ったんだけど……」


「うう……まだお腹からぱっかんぱっかん音がします……」パッカーン


「ごめんなさい擁護できないわ。それは自業自得だから……」


 アミメキリンとつなぎはしんりんちほーを探索しながらハンター三人組を探していたが、結局見付からなかった。


「それにしても、しんりんちほーってあんまりフレンズ居ないんですね」


「PPPライブや、けもマにも近いからフレンズはそっちに集まっちゃうのかしら。としょかんに来るフレンズがもうちょっといても良さそうだけど」


 やけに静かな森の中、二人はとしょかんに帰る道を歩く。


「あのー、何か足跡があるんですけど……フレンズにしては小さいような……?」


「ああ、ボスの足跡よ。この迷路の中は地面が少し砂っぽいから残りやすいみたいね」


 そう言いながら、迷路は無視してとしょかんまでの直通路を歩く。


「ここ前は脇道に誘導するように看板が沢山立ってたのよね」

「でも博士達が撤去したらしいですよ。」


「あれ? としょかんにたくさんのフレンズが集まってませんか?」

「え? 誰にも合わなかったのはそのせいだったのかしら」


 としょかんに何やら集まっているのを見て、アミメキリンとつなぎは走りだした……が、すぐに立ち止まった。集まっていたのがフレンズでは無かったからだ。


「あれは……ラッキービーストさん!?」

「嘘! あれ全部!?」


 としょかんが、ラッキービーストに完全包囲されていた。10や100どころの数ではない。

 あ、ボスだ! アミメキリン! つなぎ!  ボス×1000だよー!




「ジャパリマンの偏在ヲ感知!」

「ジャパリマンヲ渡シテクダサイ!」

「ジャパリマンヲ渡シテクダサイ!」

「ジャパリマンヲ渡シテクダサイ!」

「ジャパリマンヲ渡シテクダサイ!」

………………………………



「あれちょっと不味くない!?」

「話してる内容からすると、ジャパリまんを沢山溜め込んでるのが悪いってことですかね……」


 そう言えば、けもマで流通しているジャパリまんチケットはとしょかんで交換してくれるとのことだった。それに備えてジャパリまんを備蓄しているのは充分有り得ることである。


「博士ー! 助手ー! 大丈夫ー!?」


 アミメキリンが大声で叫ぶが、ボス達の騒ぎにかき消されてしまう。


「上から脱出しては……いなさそうですね、本当に不味いかも……」


 二人が手を出せずにいると、図書館の窓の一ヶ所が開き、そこから紙飛行機がこちらへ向かって飛んできた。


「あ! 紙飛行機!」

「そんな物に構ってる場合じゃ無いわ! 二人を助け出す方法を考えないと!」


 それを無視すると、今度はバン!と激しめに窓が開き紙飛行機が連続で飛んできた。


「あ、無視しちゃ駄目だったみたいね……拾いましょうか……」



 紙飛行機を拾い上げ、広げて一枚の紙に戻す。そこには案の定、中に文字が書かれていた。



 ────完全にラッキービーストに包囲されてしまいました。窓から出ようとすると上に登った奴らが降ってくるので、脱出も出来ないのです。

 お前達に頼むのも申し訳ないのですが、状況が状況です。我々の代わりになんとかしてほしいのです。


 確かに私達はジャパリまんを貯めていますが、ラッキービーストにアウトだと判断される量は実は分かっています。

 余裕を持って半分程度の量の備蓄にしていたのにこの事態、しかも渡しても解消しなかったのです。

 明らかに、異常です。ジャパリまんを持っていないフレンズにもボスが押し掛けているようです。


 ボス達は各地に本拠地が有ります。このしんりんちほーにも。そこに潜入し、異常事態の原因を突き止め、解消してください。


 ──ただし、くれぐれも無理はしないように。我々はまだかに玉も八宝菜も食べてません。美味しいものを(我々が)食べてこその人生なのです。無事に帰るのですよ。



追伸


 ラッキービーストは、フレンズに攻撃されると対応力を上げて取り押さえにかかるのです。どんなフレンズもいずれは捕まってしまいます。

 しかし、ヒトならば話は別です。奴らはヒトに危害を加えられません。

 そんなことがあってほしくは無いのですが、ラッキービーストを倒す必要があれば、つなぎ、お前がやるのです。

 “壊し“のライセンス、ですよ。



「……と書いてあります」


「ありがとう、つなぎ。所で博士達ラッキービーストに詳しすぎない?」


「まぁ、色々あるんでしょうね……」


 長たるもの、管理者とぶつかるのは常である。そこからの経験談なのだ。エライさんもきっと見えないところで苦労してるのだ……


「まだ何か書いてありますね」



追々伸


 この手紙は自動的に消滅しないので読んだら処分しておくのです



「え? いや紙飛行機10個くらいあるんですけど……」


「でもヤギなら行けるわよ。そろそろつなぎヤギになれない?」


「僕の野生解放を何だと思ってるんですか!?」


「今週のびっくりどっきりフレンズ?」


 と、ふざけていたら紙飛行機が更に追加で飛んできて文面で怒られました。処分数+1追加でーす。



「でもどうやって本拠地まで行けばいいんですかね……」

「集まっているボスの中には、集団からはぐれているのもいるわ、ヒトの言うことは聞くらしいから聞いてみたら?」


「本拠地教えて下さい」

「ダメダヨ」


「駄目でした」

「早くない!?」


 博士の手紙に文字数を使いすぎたのです!



「うーん、PPPファンのフレンズに聞いたことがあるんですが、あくまで噂なんですけど困ったフリをしてみるとお願いを聞いてもらえるらしいんですが…… あと、ヒトの身に危機が迫った時とかも良いとかなんとか……」


 つなぎは腕を組んで考えこみながらそう言う。


「取り合えずひとつずつ試してみます?」


 つなぎが問いかけるが、先程の話を聞いてアミメキリンの脳内に一つの思い付きが産まれた。


「私達はこれから危険地帯に乗り込むのよ、つまり今回は探偵じゃなくてスパイよスパイ!」


「は、はぁ……?」


「スパイはね、何でも利用するし、手段は選ばないのよ!」


「そ、そうですね」


「ひとつずつ試す? へたっぴよつなぎ。全部の方法を盛り込んだ最強の方法じゃないと、やっぱりこれとこれ組み合わせてやれば良かったって後悔するわ!!」


「それはそーですけど」


「というわけで……」


「?」


「つなぎ…………ちょっとそこに跪きなさい?」



…………


「ナゼカ他ノ個体ガ沢山イルネ…… 基地ニ戻ロウカナ」テクテク



タスケテクダサーイ!



「アレ?」


 ラッキービーストは声が聞こえた方に近づく。



「この役立たずのヒトめ! ラッキービーストの本拠地一つ聞いてこれないなんて!!

あんたなんかこうしてやる!この!この!」ビシバシ!



「ああー、誰かがラッキービーストさんの本拠地教えてくれないと大変ですー! 痛い! 死んじゃう! 助けてくださーい!」



 そこには跪きアミメキリンのマフラーによってビシバシ打たれている(ふり)のつなぎの姿が!!



「アワワワワワワ!!」



「このマフラーでの攻撃は痛くなさそうに見えるけど本当はあと10回喰らうとヒトは死んじゃうわよ!」ビシバシ!


「ああ! あと9回ですー! 8! 7! 6!」



「教エル! 教エルカラハヤクヤメテアゲテ!!」




───────────────────────────


 しんりんちほーの秘密の場所……ラッキービースト達の本拠地手前。ヒグマとキンシコウは彼等の動向を鋭く観察し、本拠地手前まで近づくことに成功した。


 ……成功したのだ。例えここまでの道のりが、リカオンがボスに近づいて連行されたものを尾行した犠牲の賜物だとしても。



「ヒグマさん、どうしましょう…… ボスの暴走を止めるにもリカオンを助けるにもあの中に入らないと」


「だが暴力はご法度だ…… とはいえ、やむを得ない、か」


 ヒグマはギリ……と熊手を握りしめ、覚悟を決める。

 しかし、飛び出そうとした所をキンシコウに止められた。



「もし、突入するなら他のフレンズにも力を借りましょう。もう私達だけの問題ではなくなっているようですし」


「そうだな…… それでも焼け石に水かも知れないが、少しでも可能性が上がるなら………………ん?」


 基地の向こうから、何かを叩く音とアワワワワと言う声が聞こえる。それは段々大きくなる。

 やがて、何が近づいているか明らかになった。


「ほらキリキリ歩きなさい! 遅くなればなるほどこのヒトの命はないわ!」ビシバシ!


「アミメキリンさんノリノリ…… うわー! 僕の命が今の一撃で1つ無くなったー! あと8つしかないー!」


「アワワワワ残基ガ、アワワワワ!!」


「ホラホラ道を開けなさい! この子の命が惜しくないの!?」


「ミンナ、道ヲアケテ! 早ク!」


「「「アワワワワワワ!!」」」


 ラッキービーストの群れが左右に割れた。

 開いた道をつなぎとアミメキリンはダッシュで通り抜ける。


「いい子達ねぇ! でも追っかけては来ないことね! そしたらやっぱり子の命はないわ!」


「ああー! 死にたくないですー! 絶対追って来ないで下さいー! 一歩でも入ってこられたら僕は弾けてしまいますー!!」


 つなぎは念入りに釘を指す。

 そうして、二人は基地の中に消えていった。



「サ、サイテー過ぎるだろ…………」


 セルリアン相手ならなかなかえげつない作戦も使うヒグマでさえドン引きであった。


「ちょ! ヒグマさんチャンスです! 私達もいきますよ!!」


「( ゚д゚)ハッ! わ、分かった行くぞ!」


 キンシコウに促され、ラッキービーストが再び道を塞ぐ前に素早く通り抜ける。



 こうしてアミメキリン達とハンター二人による、もはや潜入ではなく突撃作戦が開始されたのであった。

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