2つの世界(仮)2
@taruto777
001
「おかえりなさいませ、私のユウタさま。」
とても可愛らしい笑顔で、幸せそうな笑顔でファムが俺に声を掛けてくれる。そうだ!ちゃんと戻ってこれたんだ・・・こっちの世界に。
「ただいま・・・ファム。」
俺がそうファムに返事を返すとファムは俺をギュッと抱きしめてくれた。
前にこの世界から離れてからどれくらい経ったんだろうか。こうやってファムを抱きしめてファムの豊満な胸の感触を感じれるなんてすごくすごく久しぶりな気がする。ファムは何かを察したかのように俺から急に離れてこっちをじーーっと見ている。
「・・・ど、どうしたの?」
「ユウタさま、なんか、いやらしいこと考えて、いませんでしたか?」
ファムから完全に不審者を見るような眼差しを感じて、俺は慌てて弁明をする。
「いいい、いやらしいい?ことなんて、考えてないよ!どう、したのさ、急に。」
ファムは自分の胸を隠すように両手を前で組んでいる。・・・こりゃ、ばれてるな。そんなことを考えながらも俺は改めてファムの姿をマジマジと見る。ファムは初めて会った時のような格好ではなく・・・なんだろう?魔法少女?とでもいうのだろうか。まるでアニメの世界のコスプレでもしているかのようだ。サイズ感がちゃんと合っていないのか、若干、胸の部分がセクシー状態になっている。・・・ファムに限って狙ってやっているとは思えないんだが。
「ファム、可愛らしい服を着てるね。そういうのも持ってるんだぁ。今まで見たことなかったし、そういう感じの服を着ている人もここで見たことなかったから、なんか新鮮だね。」
「あ、ありがとうございます。・・・あの、似合ってますか?・・・着ている私が言うのもアレなんですけど、ちょっとサイズ感とか。こう、このスカート部分のヒラヒラとかちょっと・・・。」
やっぱりざっくりと開きすぎている胸の部分とか下着が見えそうなくらいにギザギザのスカートとか・・・気になるよな。
「あー、まあ、そうだね。俺は好きだけど、気になるなら着替えたら?チラチラと見えちゃうと・・・ほら、気になって、歩きにくいだろ?」
ファムは胸とスカートを抑えながら頷いて木の木陰へと走っていく。隠れたと思ったらガサゴソと着替えているようだ。
・・・ちゃんと着替えを持ってきてたんだな。
着替えが終わったファムが木陰から出てきたようだ。その姿はさっきのコスプレほどではないのだけど、女の子の私服っていう中でもなかなか可愛らしいもので、特にパンツではなくってスカートをはいてくる辺りがほんとうに良い。
「お待たせしました。ユウタさま。」
「ちゃんと着替えを持ってきてたんだね。さっきのも良かったけど・・・うん。こっちも可愛くて良いね。」
「ありがとうございます。さっきのは・・・ちょっと、ユウタさまが戻ってきたときに喜んでもらえると思って・・・頑張ったんです。」
ファムは顔を赤らめて言う。
「そっか。ありがと、ファム。」
「ふふ、気にいってもらえたなら良かったです。でも、もう外では着ませんからね。」
「外では?」
「ああああ、ああ。なんでもないです。私ったら、なにを言って・・・。」
ファムが顔を真っ赤にしてアタフタしている。
「はは。・・・あ、ねぇ。俺って前回からどれくらい経っているのかな?相変わらずどれくらい開いてこっちに来ているのかとかはまったくわからないんだけど・・・。」
「はい。そうですね・・・1か月くらいは経ってますね。ファムはずっと、ユウタさまが来るのを楽しみに待っていましたよ。えへへ。」
「1か月・・・か。」
「はい。・・・なにか気になることでもありましたか?」
「あ、いや。俺の感覚的には昨日のことのようだからこういうファムとの時間のズレってちょっと違和感っていうか、なんていうか、ね。」
「大丈夫ですよ。すぐに慣れます。ね!それより早く街に戻りませんか?ユウタさまに見せたいものがあるんです。」
「俺に見せたいもの?」
「はい。ね?早くいきましょう?ね?ね?」
ファムが甘えるように俺と腕を組む。やばい。マジで可愛い。こうやって甘えるファムも堪らないな。
「あー、うん。じゃあ、とりあえず・・・行こうか。」
俺とファムは街へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます