家庭の中の両親3
貧しい農夫だった父は、若い頃家にいることが耐えられなかった。十三歳になる前、父はナップサックを背負い、故郷のヴァルトフィールテルから走り去った。村人が父を思いとどまらせようとしたのだが、それにも関わらず父はヴィーンへと向かってしまった。そこで貿易を学ぼうとしたのだ。それが前世紀の五十年代のことだった。使えるお金は三グルテンだけであり、それをもって未知の世界に入ろうとした。
十三歳から十七歳になった父は、初級試験に合格したが、それでもまだ満足していなかった。むしろ、反対だった。長年にわたる困難と惨めさが、貿易を放棄して別のことに従事しようと決意させたのだ。
以前は司祭こそが最高の職業だと考えられていたが、現代の大都市では公務員こそ最高の職業になっていた。この表面的にも内面的にも意思の強い若者は、まだ半分子供の大人になっていた。父は公務員になるという決意を固めた。そしてほぼ二十三年後に、父の目的は達せられた、と私は思っている。
貧しい少年が打ち立てた、何か成し遂げるまでは故郷に帰らないという誓いは満たされたように思えた。しかし、村ではかつての少年を覚えている人は一人もいなかった。村もすっかり変わっていたのだ。
そして五十六歳で退職したとき、父にとって余暇を無駄に過ごすことは一日として耐えられなかった。父はオーストリアの市場町ラムバッハの近くに父自身が働ける土地を買い、長く働いた一生を終え、天に召されたのだった。
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