先輩は私を────しすぎです!

夏蓮

先輩は、私を甘やかしすぎだと思います!

前編

「先輩なんで、私が許可してないのに頭を撫でてくるんですか?」

「あれ?嫌なだったかな?それなら止めるけど?」

先輩は、とってもいい笑顔でそう言ってくる。

…………その笑顔はずるいと思うのです。

なんというか、そんな笑顔見てしまったら惚れてしまうでしょ!現に惚れてはいますけど……

「で、やめない欲しいのかな?」

「…………………」

「なにも言わないってことは、やめていいかな?実は手疲れてきているからね」

先輩は、そう言いつつも一向に止めようとしない。

…………っく!わ、私は屈したりなどしませんからね!そう、頭をもっと撫でて貰いたいなど一ミリも思ってないですし!

でも私はこう言ってしまうのだった。

「もっと、撫でてください」

と。

なんというか、私って我ながらチョロいと思う。

「そう、じゃあもう少しだけ撫でてあげるよ」

そして、先輩は私の耳下元でこう呟くのだった。

「姫は、可愛いね」

と。

本当先輩はずるいと思う。なに事もなかったように私の頭を撫で続けるんですから。

…………私はこんなにドキドキしているのにな。



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