第3話 武闘会。選手の入場(人物説明回)
シンの婿候補の紹介の話です。
-☆-☆-☆-
マッサチン公国で行われる武闘会のルールは「なんでもあり」である。
魔法の武器、魔法の防具、魔法の道具、呪文の巻物。魔法から毒の使用までも認められている。
これは女神の雫という死亡に至るダメージを無効化するアイテムの存在のおかげだ。
もっともこのアイテムが発動すると3か月はベットの上なので、相手を殺すような攻撃はしないというのが暗黙のルールではある。
参加者は一般4人に近衛四聖騎士4人のトーナメント。
一般が奇数番号、近衛四聖騎士が偶数番号のくじを引く1回戦、準決勝、決勝と進んでいく形。
運がよければ近衛四聖騎士のうち3人と戦える。決勝までいけば実入りは大きいとシンは考えている。
「選手入場です。まずは冒険者ギルドの
短く刈り込んだ茶髪に灰色の瞳。顔は厳つく身長190センチのゴリマッチョ。
武骨な刃幅の広い両手剣を背負った全身鎧の男か姿を現す。
シンの評価は筋肉をつけすぎ。あと年齢差がチョットいやかなりキツイです。
「続いてモツ・ヤキニ次期侯爵のご子息で去年騎士を叙勲した新鋭オルテガノ・ヤキニ19歳」
ヤキニ侯爵家の特徴でもあるこげ茶色の髪に灰色の瞳。整った貴族らしい顔に身長180の細マッチョ。
片手のロングソードに盾をもった鎖鎧の男か姿を現す。
シンの評価は従兄殿。幼いころから拳を交わしていたので戦いたくない。バレるから。
「続いて冒険者ギルドの
日に焼けたスキンヘッド。糸目のため瞳の色は判らない。糸目なのは視線で攻撃先を読まれないための工夫らしい。
拳に装着されたナックルを装備した左胸を隠す程度の胸当ての男か姿を現す。
シンの評価は一般参加者の中では有望株。
「続いて駆け出し
顔には目の部分以外を覆い隠すアイマスクから覗く瞳の色は碧眼。赤みの強い金髪の頭には吸いつくようにキッチリと嵌ったネコミミのついたカチューシャ。
両手突き
そしてそれまで選手を称える歓声だった会場が罵声に包まれる。
シンは苦笑いする。自分が観客なら同じように罵声を投げかけていたと、罵声を浴びせられるのも当然だと受け入れている。
「えー近衛四聖騎士さま4人の入場です」
「先ずは近衛四聖騎士が一人で助祭。ジャックオブメイス。トーラス伯爵家次男クリシュナ・トーラス16歳」
銀髪灰色眼のタレ目が印象的な気の強そうなメイスオブジャックの通り名通り巨大なメイスを背負った鎖鎧の少年が登場する。
シンの評価は近衛四聖騎士のなかでは下っ端。
「続いて近衛四聖騎士が一人でこの年で既に騎士伯爵。クイーンオブシールド。ルシャナ・ブーム16歳」
緑髪緑眼の見るからに気弱そうな細剣に巨大な盾。守り抜いてからの反撃というのが目に見える全身鎧の少年が姿を現す。
シンの評価は見た目に騙されてはいけない。
「続いて近衛四聖騎士が一人でランニング公爵の四男。キングオブソード。ラトナ・ランニング16歳」
赤毛にこげ茶色の瞳。太い眉毛が古典的な正義のヒーローを彷彿とさせるロングソードにライトプレートアーマの元気少年が姿を現す。
シンの評価は鋭い感が厄介な野生児。だが、血統に重きを置くなら4代前の王弟が祖である彼は婿殿の最有力候補。
「さあ最後の一人。近衛四聖騎士が一人で士官学校十数年ぶりの平民ながらの主席卒業。エースオブマスク。トト16歳」
黒い布を頭から喉までグルグルと巻いた長槍に皮鎧といった少年が姿を現す。
そして、シンとは違い正体を隠しているのにトトに罵声を浴びせる者がいない。
士官学校十数年ぶりの平民ながらの主席卒業だけが理由ではなかった。
シンの評価は評価不可。彼は次期国王の影だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます