第13話 タレントの変わりにされる女子

「あづーい。 ひゃっ!」

「あはは、ほれ。 キンキンに冷えた炭酸」


「驚かさないでよもう。 ありがとう」

「お、いいのみっぷり。 なんかこうやってみてると、お前、この炭酸のCMにでてるタレントのななみちゃんに似てるよな」


「はあ? そんなわけないじゃん。 あんな可愛い子に似てるわけ……」

「ななみちゃん、タケシ君だーいすきっていって」


「なにこいつうー。 やめてそういうの」

「あー、凄いななみちゃんだな。 めっちゃ似てる。 ナナミちゃんの事が大好き、ナナミちゃんは僕の事好き?」


「はあ? なにいってんの。 大丈夫?」

「だめ! 好きっていって。 ナナミちゃん僕は好きだよ。 はい、せーの」


「言わない」

「ナナミちゃん、せーの!?」


「す、好き」

「ナナミちゅん、僕、堪らなくなってきちゃった。 キスしていい? キス。 ナナミちゃんのラブ唇にちゅーしたいよお」

「はああ?」


「ナナミちゃん、好き! チュー」

「私、そんなんじゃ……。 ナナミじゃないし」

「だめ、ナナミちゃん。 僕とチューするの!」


「チュー!」

「……。 えっ、ん、チュッ」


「「……」」


「ナナミちゃん大好き。 絶対に離さないからね」

「う、うん? うん」



愛情をさらけ出して自分に迫ってくる好きな男子の愛情が、女性タレントに対しての思いと知りつつも、受け入れてしまう女子。


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