第42話「イベントミッション・ザジの捕獲、難易度星9」


 今回の生放送はバトル終了と同時に放送が終了するのだが、突然のバトル中断ともあって放送は続いていた。

 


 上着を持って走り回る男女の姿が延々と映っている。

 

 「愛華!回り込んで!」

 

 「菊名ちゃんそっちにいったよ!」

 

 汗だくで二人の女子高生がザジを追い回す。

 

 「うおおお、弟よそっちにいったぞ!」

 

 「任せろ兄さん!」

 

 チャラ男と制服の男も汗だくで追い回す。

 

 「うわっ!なんだお前ら!コラ止めろよ!危ないだろ」

 

 ザジが叫ぶが当然聞こえない、霊声故に届かないのである。

 

 「菊名ちゃん、何か言ってるっぽいよ」

 

 愛華がアプリの画面を見ながら追い回す。

 

 「知ったことじゃないわ!チャンスよ愛華!コイツならランキング上位相手でも余裕よ!」

 

 菊名には祟りだとかのハッタリも通用せず、スカウトするためには手段を選ばない様子。

 

 「なあ弟よー!、生き別れのKIRIKU兄弟の三男がここに見つかったぞー!」

 

 「勝手に三兄弟設定にしないでよ兄さん!でも血の繋がってない末っ子とか設定生えるかも」

 

 KIRIKU兄弟にとってはザジが三國志の張飛の様に見えている様子。

 

 「ちょっとー!タスケテ!」

 

 ザジが逃げようにも、まだバトルリングの結界が消えておらず…

 

 閉じ込められたザジが霊力で結界を無理矢理破ろうとすると、その隙に捕まる可能性が高い。

 

 「バトルリングはバトル終了時間限界で設定してあるわ!強制中断をしたことを後悔しなさい!」

 

 菊名がザジを追い詰める!。

 

 

 その頃、上空では工事現場をユナとパルドが乗った飛行船ドローンが、周回しザジを探していた。

 

 「パルドさんザジ君発見しました!」

 

 ここでユナがザジを観測。

 

 「どんな様子だ…」

 

 発見したザジの様子をユナが小さい望遠鏡で確認している。

 

 「緊急事態です!!…パルドさん、ザジ君が!ザジ君が…!」

 

 

 

 

 「「制服を脱いでワイシャツになった女子高生に!」」

 

 

 「「汗だくスケスケ鬼ごっこされてます!!(意味深)」」

 

 「なんて羨ましい!!」

 

 

 現場では未だにザジが追い回され、かつ追い詰められていた。

 

 「今だ!」

 

 KIRIKU兄の上着がザジを覆う、だがザジのファントムスラッシュに真っ二つにされる!

 

 「うわあ!なんてパワーだコイツ!」

 

 慌てるKIRIKU兄を尻目に、菊名が体を使って覆い被さった!

 

 「ちょっとおい!生身をぶつけてくるな!」

 

 ザジは慌ててファントムスラッシュを振り回しす。

 

 菊名の制服がズタズタになると裂け目からザジが這い出てくる。

 

 「やっぱり!噂通り!そう言うことね!」

 

 ここで菊名が重要な事実に気が付いた!

 

 

 

 「コイツの技!人体が斬れないわ!」

 

 

 

 ザジは、強力なスキルで戦う事ができる亡霊だ。

 

 だが″誓約制御″(セーフティ)が存在し、肉体を攻撃しても凄く効果が薄い。

 

 何故なら彼自信がそう設定しているのである。

 

 「コイツらに俺が人斬れないってバレた?!」

 

 ザジのピンチが続く!

 

 

 

 上空では、ザジの救出方法をユナとパルドが模索していた。

 

 「ああ!駄目!、服がボロボロになった半裸の女子高生がザジ君に迫ってる!」

 

 「畜生!ザジそこ代われ!」

 

 お前らなにやってるの。

 

 

 

 

 「パルドさん威嚇だけでも出来ませんか?」

 

 ユナが攻撃を進言する。

 

 「人に当たったら大変じゃないか、それにファントムスキルは人に対して効果薄い…ファントムニードル以外は利かないと見ていい」

 

 「ファントムニードルって唯一の対人スキルだったんですね」

 

 ユナの問いかけにパルドが答える。

 

 「それであっても少なくとも″俺達″は人間を倒せない、巨大霊体とか他の奴は知らないけどな。」

 

 「このまま見過ごすんですか!」

 

 ユナは手を子招いている。

 

 「ザジならボディを棄ててこっちのボディに最速で移れるからな、俺達が近くに要れればそれでいいはず」

 

 パルドの見解は冷静だった。

 

 「俺達の位置も自信の霊力の残りカスのあるガールボディを探れれば良いし、俺達がバレずに潜んでいれば大丈夫だ」


 「なーんだ、じゃあ待ちましょうか」

  

 

 ユナ達は結局なにもしない事になった。

 

 

 

 「行くわよ愛華!…って」

 

 追い回す菊名にKIRIKU兄が立ちふさがった。

 

 「させねえぞ、俺達の三男にするんだよおおお!」

 

 「よしきた兄さん!足止めしてて!こっちはアイツを追い詰める!」

 

 KIRIKU弟は先程の戦闘でも使ったプラスチック溶剤の濃縮液をぶちまける!

 

 ぶちまけた液体はザジのプラモデルの足装甲に付着、当然亀裂が発生する!

 

 「ギャー!エナメルとか!マジやめて」

 

 そのまま割れた足装甲を外すザジ、だがその隙に愛華が間合いを積めて襲いかかる!

 

 「うわあああああ!」

 

 迫り来る愛華の豊満なワガママボディ!

 

 ファントムスラッシュで服を切り裂くも抜けきれず、覆い被さるのは服ではなく巨大な胸元!

 

 「ば、バリアー!ファントムバリアー!」

 

 「バリ…」

 

 とっさのファントムバリアも人体相手でバルーンクッションみたいな状態になり、その上を愛華のワガママボディにのし掛かられ…

 

 かつ服が破れた事で露になった愛華の胸元に、ザジのピュアボーイスキルが災いして赤面しつつ混乱。

 

 「ひゃあああ(目を手で覆い隠す)」

 

 ゆっくり押し潰され愛華の谷間に挟まれ御用となった。

 

 「よくやったわ愛華!これで私達″ポゼ部″の期待の新人の誕生よ!」

 

 菊名が言うポゼ部とはポゼッションバトル倶楽部の略である。

 

 なんでも部活にしときゃいいってもんじゃねえぞとツッコミたい。

 

 「くっ、クソ俺達の三男は諦めんぞ!覚えてろよ!(何気に楽しそう)」

 

 この台詞で序列14位は

 

 今最高に輝いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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