Episode.2
遅い。もう、始業のベルが鳴ってから10分も経っている。それなのに先生は来ない。
入学式が先かと、思ったが隣のクラスからは先生らしき人の声がするし移動した様子もない。ただ単にこのクラスの先生が来るのが遅いだけ。
「ねぇ、先生来るの遅いね?なんでかな?」と、話しかけてきたのは、隣の席の女子。ショートヘアーで毛先を内側に巻いた少し地味な子。
「知らないよ。」と、素っ気なく答える。
「私、
「俺は
「そっかー。じゃあ、かず―」
咲楽さんが何か言いたげだったか、丁度そこに先生が来たのでさえぎられた。でも、俺としては来てくれてよかったと思っている。だって呼び捨てにしようとしていたのがわかったからである。
若い男の先生が遅れてきて、自己紹介をした。
「このクラスの担任となった、
とてつもなくつまんない入学式を終えて、ヒロと一緒にもう一度教室へ行く。その間にヒロが中学校の話をしてくれた。とっても楽しかった。
教室へ行くといきなり先生が、「おーし、席替えするか。」と、言いだすので俺はびっくり。でも、みんな乗り気なのでさっそく席替え。
俺は廊下側の後ろから2番目になった。前はヒロだ。
「よ!かず!席ちかくなったなー!」
「おう。いっぱい喋ろう。」
俺はヒロが近くの席になったので、この席で良かったと思っている。
オタクのあいつには俺の気持ちが伝わらない!! 螢奏 @aozolaoka
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