第45話 異世界からの電話? (6)

『はぁ~』また儂は、溜息が漏れてしまったよ。


 だって今度は、電話の向こう側にいる女性……。


 声が若いからお姉さんかな?


 まあ、そんな若い声色をしたお姉さまが、電話口で溜息を漏らしたりする儂の電話での対応が悪いとと不満を告げてきたのだ。


 う~ん、でもさ、そんなことを見知らぬお姉さまに言われても、爺である儂でも少々困るし。若い娘相手でも愛想よくはできない。


 だって儂になれなれしく、電話の向こうから話しかけてくる彼女の声を聞いても。儂自身には心当たりはない。


 儂には娘などいないし。世に言う援助交際と言う物も全くしたこともない。


 う~ん、では? 飲み屋の姉ちゃんと言うことになるのだが。儂は十代を皮切りに、お酒を外に飲みにいくのも辞めたから。飲み屋のお姉ちゃんから『直樹さん~』と、スマートフォンに電話がかかることもないから。先ず間違えなしに、電話の向こう側のお姉さんは、何処かのパパさまと間違えて、儂の許へと間違え電話をかけてしまったのだと思う。


 だから儂は再度、電話の向こう側にいるお姉さんに、電話をかけ直した方がいいよ~。と、伝えようと思う。


 と、言うことだから。「えぇ~、あの~」と声を漏らすと。


「うぅ~ん、間違え電話ではないよ~。パパ~。だってセリカはパパの許へとちゃんと念を込めてスマートフォンへとかけたもの。だからセリカは間違え電話などしていないよ~。今セリカと話している声も。セリカのパパの声色で間違えはないから……」


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