第21話 昭和終わり世代の、貧乏人で坊ちゃん育ちの上、趣味多彩だった儂…… (17)
でも、そんな彼女達の素晴らしいハーレム的な生活も、儂が職を変えたことで終焉を迎える。
「ああ、君達よ、さようなら……。儂は本当に心から君達のことを愛していたよ。そして今度生まれ変わった時は、儂と必ず結婚をして、生涯寄り添って欲しい。愛しているよ。君達……。そしてまた逢おう……」
儂は気落ちした声色で言葉を漏らしたのだよ。パソコンのモニターの画面に向かって儂は滝のように涙を流した『エン、エン』とね。本当に儂自身には辛い思い出だった。
う~ん、今でも、ふと、妖精のような妻達の顔を儂は、走馬燈のように思い浮かべては涙が漏れそうになる。
そして後に儂自身が漏らす言葉は、『あああ、儂の切ない恋心だった……』と、悲しい男心を口の出し漏らしながら。何度も自分自身の目尻を涙で濡らし。儂は心から愛する妻女達と別れた。
だって、このまま廃人仕様のおじさんで、ニート仕様の家に引き籠り。家の家族に迷惑を掛ける訳にはいかないから。とにかく働きに出たよ。他種族の妖精のような妻達との別れは切ないが、家族の為に我慢をすることにした。
でッ、その後儂は、中々良い趣味がみつからずにいたよ。儂自身も齢を取ってしまっているから頑固になっているから、簡単にこれだ! と、いう物がみつからないでいる。
特にスマートフォンという便利な物も所有しだしてからは、前よりもゲームを簡単にプレイ出来るようにはなったのだが。どうしても、ゲームをプレイすると、昔別れた他種族の、妖精のような妻達の事を思い出してしまう。
だから儂自身は、アプリゲームを簡単にプレイするということはどうしても無理のようだったよ。もし仮に、儂が他のゲームをプレイして、その世界に住むヒロイン達にお熱を上げると、前のゲームの妻達のことを裏切り浮気をしているような気がするから。儂は絶対に彼女達一筋の恋を貫こうと心に決めている。だからスマートフォンのアプリゲームには目もくれず、儂は仕事一筋に変わり頑張ったのだよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます