第2話 あの子の涙と小さな誓い! まさかまさかの、オフクロー誕生秘話!?

アバンタイトル

 四年前。

 中学に進学したばかりの料馬に「話がある」と正座させ、母の芳江は涙ながらに語った。


「いいかい、料馬。今まで隠してきたけどね、我が辰巳家には代々伝わる、裏のお役目があるんだよ。これから、おまえにはその修行をしてもらわなければならない。うちには娘が生まれなかったし、あたしの年齢的に次の子ができる可能性もなさそうだからね。腹をくくったよ」

「はあ?」

「おまえが、オフクローの後を継ぐんだ」


 窓の外では並木の桜が散っていた。何が何だか分からないまま、学ラン姿のままで料馬はぽかんと口をあけていた。


「辰巳家の長女は代々、悪の組織・24トゥエンティーフォーブラックと戦う使命があるのさ。割烹慈母神・オフクローとしてね」

「いや、全然意味が分かんない」

「オフクローとしてね!!」

「だから、二回言われても、全然意味が分かんない」

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