その35 さはしのひ


 検索結果……差し控える


 トップにはWikipediaの索引が来たのですが、『索引』は一度お題として扱いましたので二番目のこちらにしました。

 言動などを自粛する。すなわち、何か理由があって自主的に程度を抑えたり止めておくという意味の言葉です。そのまま『近くで待機しておく』という意味もあるようですが、こちらはあまり使われるのを耳にしませんね。


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 A案 タバコ止めるなら人生辞めます

 俺は喫煙者だ。別段ヘビースモーカーというわけでもないんだが、煙をくゆらせる束の間の休息は、俺の生活から切っても切り離せないものになっている。

 もちろんルールは守る。携帯灰皿も持ち歩いてるし、子供の前では絶対に吸わない。大人であろうと、相手が非喫煙者ならちゃんと断りを入れるぐらいの徹底ぶりだ。

 だからこそ今回のことは腹が立った。『全人類の健康向上のため、地球上のいかなる場所でも禁煙とする』だとお!? ふざけんじゃねえ! 俺らは犯罪者か何かかよ!

 唯一残った2箱を手に、俺は『喫煙所』を探すべく家を飛び出した。


 B案 図々しい隣人

 第一志望ではないものの大学に進学し、念願の一人暮らしがはじまった。

 待ちに待った自由。自分だけの城で悠々自適な生活。そんな胸躍る妄想は、一つのチャイムで中断させられる。

「すみませーん! 隣に越してきた者ですけどー!」

 俺は突然訪れたご近所付き合いにあたふたしながら、ぼろっちいアパートのドアを開ける。そこにどんな人物が待っているのかも知らずに……。

「あ、どうも。いきなりなんですが、何か食べる物貰えませんか?」


 C案 遠足の準備

 明日の遠足に備え、友達とグループ通話をしながら準備をすることになった。今回の遠足は今までと違い『持ってくるものリスト』が存在しない。先生いわく自分たちだけで考える練習らしい。また新聞の記事でも読んで影響を受けたんだろう。

「虫よけスプレーはあった方が良いよね」

「水とうにプカリスエット入れていこうぜ! 『お茶より水分ほ給に向いてる』って言えばいいだろ!」

 まあなんだかんだ楽しくて、俺たちの会話も弾む。小学生の悪知恵を先生に見せつけてやるぜ。

「なあ、ゲームとか持っていけねえかな」

「さすがにゲームは無理じゃないか? 何か理由がないと……」

「ほう……その理由、オレに任せろ」

「「けんじ!!」」

 先生とおれらの戦争が始まる……。



 以上、三本です。

 ちなみに私は非喫煙者です。目の前で吸われると嫌ですが、吸うこと自体は自己責任だし別に良いかな……って思います。

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