chapter07 対人技能-人間関係-
ある日の帰宅後…
”バタン…”
「ねぇ、お姉!聞いてよ!!」
ノックをしないで、部屋に入ってくる美琴。
「ちょっと!いくら姉妹だからって、ノックしないで私の部屋に入らないでよね!」
「そんなことは置いといて…」
「いやいや、結構重要なことなんだけど…」
「今日、部活前に委員会があったでしょ?私の委員会、大人しい人ばかりだったから、なかなか話が進まなくて…」
「…それで?」
「で、ちょっとでも場の雰囲気を明るくしようと思って、お姉に話をする感じで意見を言ったの」
「そうしたら、その場にいる全員から一斉に睨まれちゃって…」
「あんたね…それ、その反応になるの、当たり前よ」
「足達先生も言っていたわ。職場でも、人にはそれぞれ立場があって、それを受け入れた上で、良識と協調性を持って適切に対人行動を取ることが必要だって」
***
サービス接遇検定の出題要点の一つに「対人技能における人間関係」があります。
この要点では「一般的に、人間関係が理解できる」ことが要求されています。
美琴が真琴に話したことは、あくまで学校の中の「委員会」での話でしたが、これを『職場』に置き換えるとどうなるでしょうか?
***
「美琴が出た委員会を、職場で置き換えて考えて見ると、何らかの「会議」をやっていた、ということになるわね」
「次の文化祭での、うちの委員会の役割を決めたり、普段の活動報告をしたりしていたから、確かに「会議」と言われれば、そういうことになるのかな…」
「で、その場にいる委員長は「社長」、副委員長は「副社長」、各学年のリーダーが「部長」とか「課長」、特に役職についていない委員は「一般社員」、先生方は「会長」とか「顧問」といった役職の人たちにあてはめられるわよね」
「もし、美琴がそんな発言をした委員会が、会社の会議だったとして、社長や副社長の前で、そんな軽はずみな言動を、一般の社員がとることが許されると思う!?」
「それは…許されないと思う」
***
サービス接遇検定が要求する「一般的に、人間関係が理解できる」とは、「良識と協調性をもって、適切に対人行動を取ることができる」ことにあります。
良識と協調性をもった対人行動を取るためには…
・上司と部下、先輩と後輩、といった序列の上下が、会社組織を成り立たせていることを理解する。
・上下関係に限らず、社内の人とは自分から積極的に挨拶をする。
・自分の手が空いている時は、他の人の仕事を手伝うようにする。
といった、「他者への配慮・気遣い・思いやり」を持った言動を心がけることが大切になるのです。
***
「まぁ、今回言ってしまったものはしょうがないから、次の委員会から気をつけなさい!」
「分かった。そうしてみる!」
「まず手始めに、私に対する言葉遣いを直してみることね!!」
「うーん、それは無理かな!♪」
…
chapter8 に続く
-検定問題にチャレンジ!-
新谷小百合は新人研修で講師から、「職場で気持ちよく仕事をするためには、どのように行動するのがよいか」と質問された。次は各人が一人ずつ例を挙げるように言われて言ったことである。中から『不適当』と思われるものを一つ選びなさい。
(第32回 サービス接遇実務検定3級より)
「1.A子
自分の手が空いたら、他の人の仕事を手伝うようにする。」
「2.B子
自分と考え方の違う人がいても、その人の考え方を尊重する。」
「3.C子
付き合いは、特定の人とだけするようなことはしないようにする。」
「4.D子
先輩とか後輩とかを気にせず、皆と気さくに話をするようにする。」
「5.E子
誰に対しても、会ったらすぐにこちらからあいさつをするようにする。」
『不適当』な選択肢は…
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「4.D子
先輩とか後輩とかを気にせず、皆と気さくに話をするようにする。」
-解説-
職場には、上司と部下、先輩と後輩など働く人に上下関係があり、それによる秩序があります。
従って、この秩序を乱すと、気持ちよく仕事をすることができなくなるのです。
誰とでも気さくに話をするとは、上下関係を無視して話すことであり、結果秩序が乱れてしまうため、不適当ということになります。
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