第74話 74

あなた、ケーキの苺は最初に食べる? それとも最後に食べる?


私は悩み過ぎて、先に甘い匂いに集まってきたアリさんにケーキとイチゴを全て食べ尽くされていた・・・あの時は、さすがの私も悲しんだわ。


ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。

NJK(何か取り柄のある女子高生。)

「解決(ソルーション)!!!」


製作委員会東京都大会も大詰め。残すは中野区、杉並区、世田谷区、私の渋谷区ヨモギ・・・渋谷区代々木からの発想で、渋谷区ヨモギも面白いわね。・・・おっと、いけない。緊迫の大会中に私としたことが悩んでしまった。めんごめんご。



「人間スピーカーとはまさにこのことね。粗大ごみの処理も終わりましたし、製作委員会大会の続きをしましょうか? もう4人だけですし、自己紹介しておきますね。私は中野区代表の中野高校の短家イチコ。全ての拡張を司るNJK(何か取り柄のある女子高生)です。宜しくお願い致します。」


イチコ・・・なんて恐ろしいの!? あの傲慢さんを一撃で、一撃で倒した実力から見て、今大会の本命に名乗り出たのは間違いない!? ちなみに傲慢さんの名前を悩んでみると、ゲキコとかかしら? ややこしいから公募で読者に悩んでもらいたい。


「そうですね。私が優勝した時に倒した相手の名前も知らないのは申し訳ありませんからね。名乗っておきましょう。杉並高校の辺井苦度チズコ。私もNJKですが、種明かしはしませんよ。自分の能力を相手に知られたら不利ですからね。以後、お見知りおきを。」


ちゃっかりしてるわ、チズコ。・・・んん? まだ私も私の能力を行使していないから相手に知られているということはない。ということはチズコと同じってことで、イチコよりは有利ってことね。ラッキー!


「世田谷高校の文部ランコだ。あんまり人と話すのが好きじゃない。私もNJKで能力は破壊。上手く言葉で伝えることが出来なくて苦手なんだ。だから面倒臭いと何でも壊して無かったことにしようとするようになっちゃったんだ。なんか悪い?」


この人、私に似ているかも? もしかしたらランコちゃんとはお友達になれるかも。この製作委員会を通じて、友達のいることの大切さを実感した私は、一人でも多く友達がいることで、みんなの叡智を結集すれば、解けない悩み事はないと思える前向きな私に変わったかな~と気楽に思ったりもする、今日この頃。ふむふむ。


「あなたは名乗らないの?」


え? 私ですかー!? しまった!? 他人のことを好き勝手にいうのは好きだけど、私のことを言うのはすごく苦手なのよね・・・っていうか、無理。だって私はそういう人だもの。昔、偉い人が言っていたわ。人間には向き不向きがあるから無理するなって。


「無視? 無視するの? 私たちは自己紹介したのに?」


ご、誤解よ!? 私は私の言葉で私の意見を言うのがとても苦手なカワイイ女の子なだけよ!? やめて!? その生まれたての不信感と敵意に満ちた視線は!? 私が何をしたって言うのよ!?


「みなさん、この無口な人から倒しませんか?」

「いいですよ。ライバルが一人減るから助かります。」

「面倒臭いから早く怖そうよ。」


あ、そっか。何もしないのも罪なんだ。私が心の中で思っていることなんて、相手に伝わるように、相手に分かってもらえないと意味がないんだ。


「・・・。」


分かってもらいたい。みんなに、みんなに私のことを分かってもらいたい!


つづく。

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