第70話 70

あなた、何刀流まで見たことがある?


私は二刀流を今見ている。世間的に海賊モノで三刀流。阿修羅的に六刀流は有りそう。四刀流・・・いや、私は五刀流でも目指そうかしら、かしら。


ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。

NJK(何か取り柄のある女子高生。)

「解決(ソルーション)!!!」


光る剣が5本で五刀流。必殺技は・・・観覧車? イルミネーション? いや、混沌(カオス)五刀流? 秘剣、悩み事? 奥義、暗中模索! んん・・・まだまだ光る剣については悩む必要がありそうね。 また新しい悩み事に出会ってしまった。こんなに嬉しいことはない!



「葛飾区 退場!」


傲慢さんの光る剣が江戸川区の生徒に続いて、葛飾区の生徒も突き刺した。二刀流だ。一人一本と決め込んでいたのは私たちだ。でも一人で二本以上の剣を使用してはいけないとは決まっていない。できる! 傲慢さんは傲慢なだけじゃない。かなり偏差値も高い。只者じゃない。危険な香りがする。


「あ~ら。ごめんなさい。剣を何本も使ってはいけないなんて、レールには載っていないわよ? 自分が勝つために頭を使ったか使ってないかの差なんだよ!」


そ、その通り。傲慢さんの言っていることに分があるわ。私たち他の生徒より、傲慢さんの方が一枚も二枚も上手なんだわ!? ・・・悔しい。先手を取られている!? ・・・で、でも、私の悩み抜いた予想では・・・これで終わる訳がない。きっと他にも何か仕掛けがあるはずよ!?


「ギャアアア!?」

「ギャアアア!?」

「ギャアアア!?」


どうした!? 私が振り向くと、ただ立っていただけの女子高生3人の体に光る剣が突き刺さっていた。別に誰かが剣で突き刺したわけでもなく、誰かが光る剣を投げて体を貫かせたわけでもない。私は瞬時に他の可能性も悩み抜き答えを出すことはできたのだが・・・。


「どう? スゴイでしょう? 遠隔操作。私はなんでもできるんです。少し精神不安定なんですけど。」


え、遠隔操作!? これも傲慢さんがやったというのか!? 二刀流スキルだけでなく、剣の遠隔操作までできるというのか!? 傲慢さんは化け物か!? 何をどう過ごして来れば女子高生でこんな化け物に育つんだ!? いったいどんな青春時代を過ごしているんだ!? 


「足立区 退場!」

「墨田区 退場!」

「江東区 退場!」


私は勝てるの? 傲慢さんに・・・。正直、自身が無い。目の前で圧倒的なスペックを見せつけられて、私だけじゃない。他の女子高生たちもガタガタ震えて戦意喪失よ。


「さあ、次は誰を殺そうかしら? 楽しみだわ。」


勝てない・・・絶対に誰も勝てない・・・ましてや私なんかでは・・・。人間が絶望し抵抗を諦める時は、相手の方が絶対に強い。または数的にこちらが一人で相手が多数の時だ。これはいじめもパワハラもセクハラも痴漢も同じ。私が諦めた時にゲームは終わってしまう。・・・でも・・・だけど・・・相手がこんな化け物じゃ諦めるしかないじゃない・・・。


「諦めないで! 薄皮さん!」


初めてだった。一人の世界で孤独に悩み続けてきた、いつも一人ぼっちの私を応援してくれる人たちがいることを知ったのは。


つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る