第22話 22
ワードズ・オブ・アウェーケニング。
「私が高校を支配する。」
私を覚醒させる言葉は決まった。催眠療法の一環らしい。普段通り暮らしていても、あるキーワードを聞くと、人格が変わったり、意識が無くなり倒れてしまうらしい。私の場合は私を解放したい時に自分の心の中で唱えるだけで、薄皮(ススキカワ)から薄皮ヨモギに変わることができるらしい。
「クスッ。」
私は布団に横になって笑った。内弁慶? 人見知り? 自閉症? スマホ依存の現代病? 私は今まで何かを思い出したかのように思い出し笑いをする人間ではなかった。それなのに高校に入学しただけで、私の世界は変わった。もしかしたら私自身も環境の変化に変わっているのかもしれない。
「・・・。」
まだ高校生2日目なのに色々あるな。ひょん教に出会ったり・・・ひょん教に出会ったり・・・もうひょん教の名前を忘れたな。覚えてるのは私利私欲が強い奴ということだけだ。ひょん教の性で新入生なのに入学式の片付けをさせられるは、粗大ごみ3人組に絡まれるは・・・んん? そういえばもう出てくることは無いと思うが粗大ごみ3人組の名前を決めてなかったな。・・・一子、二子、三子(仮)でいいだろう。名前が付いただけでも感謝してもらおう。それからミッションもこなしたな。誰もこんな生きてるか死んでいるか分からない様な存在感のない人間がボタン一つで世界を動かしたとは思わないだろう。私は他人と会話したり他人と接したりするのが苦手なだけで、私に行動力が無いとは言っていない。だから矛盾はしていないと主張しておこう。私は他人と一緒にいる時間が短いため、私の世界で悩み事をする時間が多い。そのため思考回路が発達し天下無敵の悩みニストになった。
「・・・。」
今日は学校の廊下でひょん教に声をかけられて、意識を失って救急車に病院へ運ばれたらしいけど、私には記憶はない。気がつけば病院のベッドの上だった。変な女医が現れて私に催眠療法を施した・・・施した・・・んん? まただ・・・変な女医の名前を知らない。これは時間の流れが速くて知る機会が無いのか、私が他人の名前に無関心なのか・・・まあいいわ。変な女医と縁があればまたその時に知ればいいだけのことよ。こんなことで悩むなんて時間がもったいないわ。私はもっと素敵な悩み事がしたいのよ!
「・・・。」
そういえば私の所属する委員会が強制的に決定したな・・・ひょん教の私利私欲によって・・・。製作委員会か・・・いったい何をするかというと他人と議論して相手をこの世から消し去る委員会らしい・・・。ワードズ・オブ・アウェーケニングを手に入れた私には簡単なことだ。私が高校を支配するか・・・本当にできてしまいそうで自分の悩み事の才能が怖過ぎる!
「ワッハッハー!」
しまった!? 寝る前なのに覚醒の言葉を唱えてしまった!? どうしよう!? 体がウズウズして眠れない!?
つづく。
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