《特等席》





みんなが教科書を開き


黒板に向かってる頃


独りで空に向かって


紫煙を吐き出してる


チャイムの音が響き


足音が頭上で止まる


見上げると呆れ顔のキミ


悲しい瞳のまま隣に座る


言葉も交わさず


そっと手を繋ぐ


誰もいない


ふたりだけの


校舎の屋上



三つ編みおさげを


ポニーテールに変え


メガネを外し微笑む


お互い肩を寄せ合い


静かに過ぎる時間を愉しむ


ひと時のキミとのデート


雑音(おと)もなく深い闇を


光りが届かぬ隅へと追いやる


目と目で語り合う


ふたりの時間


誰も来ない


ふたりきりの


校舎の屋上






(05/January/2013 Word by つばさ)

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