Arrivals ご旅行を終えて

Day30 旅はまだまだ続く?

 皆さまと楽しく過ごしてまいりました『源ツアー』も今日が最終日となってしまいました。当ツアーへのご参加ありがとうございます。お楽しみいただけましたか?

 毎日のように寄せてくださる皆さまのご感想やご意見、本当にありがとうございました。楽しく、または感慨深く伺い、新しい発見の連続でした。


 一番反響が多く、クスリと笑えたのはやはり「物忌みと方違え」でしたでしょうか。まさかと思いますが、「物忌み」や「方違え」実践なさった方いらっしゃいませんよね?

 源氏と藤壺の宮のエピソードにはしみじみと切ないコメントをいくつもいただきました。

 紫の上と明石の君には同情コメントが多数寄せられました。

 夕霧と雲居の雁のカップルは共感度ナンバーワンでした。

 そしてなんといっても源氏の恋についての感想リアクションですね。

 また、現代とはかけ離れた恋愛模様について、皆さまとお話ができたこともとても楽しかったです。


 誰もが聞いたことのあるタイトル『源氏物語』


 ですが「じゃ、どんな内容?」と聞かれれば、

「いや、知らないけど別にいいじゃん」

「なんか光源氏ってヒトの話でしょ?」

「古典なんてキョーミねぇし」

 なんて答えが多いのではないでしょうか。


 学校で受動的に勉強した(させられた?)教材だから堅苦しかったのです。

 勝手に古典クラシックだから高尚だと思い込んでいたのです。

 確かに昔ことばだから読むのはタイヘンだけれど、内容はとある男子のハーレム物語。ジャンルはトーゼン恋愛。


 今で言えば週刊や月刊で発売される連載マンガやテレビの連ドラのようなものではないでしょうか。

「ね、最新号読んだ?」

「読んだ! 読んだ! きゅんきゅんきたわよね――」

「光る君みたいなカッコいいヒトいないかしら?」

「あれはないわ、紫さんが可哀想すぎない?」

 なんて千年前に盛り上がったのではないでしょうか。

 そして「いいね」が「いいね」を呼び、大ベストセラーとなり、その「いいね」は時代をも超えて現代にまで伝わっているんですよね。


 今回のツアーにご参加くださった皆さまにはどんな物語か、どんな内容なのか、十人十色の感じ方をしてもらえたのではないでしょうか。     


 ご紹介したのは主に源氏物語の前半部分でした。三十三帖藤裏葉までの主な登場人物をざっくりまとめてみますね。


 葵の上 源氏の正室で息子の夕霧を出産。故人。

 空蝉 夫が亡くなった後出家、源氏の二条院に引き取られる。

 夕顔 源氏の若い頃のカノジョ。頭中将との間の子が玉鬘。故人。

 六条御息所 こちらも源氏が若い頃つきあったセレブ未亡人。故人。

 藤壺の宮 源氏の永遠の憧れの人。冷泉帝を産む。故人。

 末摘花 頭中将と取り合った口コミで評判だったカノジョ。二条院在住。

 朧月夜 源氏の兄、朱雀帝(院)の寵姫。源氏のカノジョでもあり。

 紫の上 誰もが認める源氏がイチバン愛しているオクサマ。六条院春の御殿主。

 花散里 夕霧や玉鬘の母親代わりを頼むなど源氏の信頼大。六条院夏の御殿主。

 明石の御方 明石で源氏と出逢い、明石の姫君を出産。六条院冬の御殿主。


 冷泉帝 源氏と藤壺の宮の子。

 秋好中宮 六条御息所の娘で冷泉帝妃。源氏が親代わり。六条院秋の御殿主。

 夕霧 源氏と葵の上の子。初恋を実らせて雲居の雁と結婚。

 雲居の雁 頭中将の娘。幼なじみの夕霧と結婚。

 明石の姫君 源氏と明石の君の子。紫の上に育てられ東宮妃となる。

 玉鬘 頭中将と夕顔の子。源氏の養女。髭黒大将夫人。


 光源氏 冷泉帝から准太上天皇の位を授かる。いまだ愛を探し求める旅の途中。



 まだまだ物語は続きます。第二部の三十四帖【若菜】から四十一帖【雲隠】までが源氏の残りの人生です。愛を求め愛に彷徨う源氏は「愛」とは何かを悟るのでしょうか。第三部四十二帖【匂宮】から五十四帖【夢浮橋】までは源氏の子孫、薫と匂宮の物語でいわゆる「宇治十帖」と言われる部分ですね。



 本格的に『源氏物語』を楽しみたい方はぜひ有名作家さま方の現代語訳や原文へもお出かけになってみてください。

 大和和紀先生の漫画『あさきゆめみし』も素晴らしいです。


 また、ここカクヨムにも他の作者さまによる源氏物語関連の素晴らしい作品がたくさんあります。お気に入りの作品を見つけてくださいね。


 それから、もしよろしければ転載元の『【超訳】源氏物語 〜 いつのことだったかしら? 〜』『【別冊】源氏物語 〜 俺はいつだって本気だぜ? 〜』などにもいらしてください。(まだ連載中ですが……)


 ちなみに『源氏物語』パロディ小説、『げんこいっ! 〜 源氏ア・ラ・モード 恋クリーム仕立て〜』も書いています。



 いつも楽しくお付き合いくださる方

 保護者のように見守ってくださる方

 今回のツアーで初めてお会いした方

 何度もツアーに参加してくださる方

 遠巻きにツアーを眺めてくださる方

 温かく応援してくださる方

 旅の感想をお聞かせくださる方

 親切なアドバイスをくださる方

 ツアーを楽しくわいわいと盛り上げてくださる方

 作者の憤慨に共感くださる方

 新しい気づきを教えてくださる方

 そして今これをお読みくださる方


 すべての皆さまに感謝申し上げます。

 どうもありがとうございます。

 皆さまのおかげでとっても賑やかな30日間の『源氏物語』ツアーでした。



 最後に皆さまで集合写真でも撮りたい気分です。



 さて、ご参加いただきました本ツアーはこちらで到着となります。お気をつけてお帰りくださいね。事故なく、ケガなく。玄関のドアを開けるまでが旅行ですからね。

 皆さまの笑顔とちょっぴり話したくなるトピックスがお手土産です。


 またの機会にどこかでお会いできる日を楽しみにしています。


 後半の源氏物語の超訳とエッセイ(別冊)を書き進めまして、再度ご案内のツアーができたらな、とも考えております。



 30日間のお付き合いありがとうございました。

 心からの感謝をこめて。



 2018年春

 桜井今日子


 ✈︎✈︎✈︎


 ✨明日の行先

 皆さまの明るく楽しい未来

 まだ知らない学べることの待っている明日

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