可愛い美少女を助けたらボクが可愛い美少女になってしまったんだけど⁉︎
千神華夜
第1話 入学式
平凡な日常が大好きなオタク中学生、涼宮眞白はある日暴漢に殺されそうになった美少女を助けるとそれはまぁとてもとても可愛いくて可憐な美少女になってしまった。
そんな羨まし、、いえ、メルヘーンなお話である。
僕は平凡とアニメを愛する、、ごめんなさい。自分で言ってて物凄く恥ずかしいので罰ゲーム的自己紹介はやめます。
改めて、僕は涼宮真白。正直僕って自他共に認める女顔でほぼモテないのだ。だから、人生やり直してイケメンになりたい。
「あ、あれやばくないかっ?」
何やら大通りのほうで騒がしい。
「あれ、シロいたのか?」
このいかにもリア充なイケメンは幼馴染みの鮎川|翔(かける)。
「あ、うん」
「二人ともこんなところでどうしたの?」
この可愛い女子も幼馴染みで藤宮有栖。名前からしてメルヘンなやつだ。僕は昔からあーちゃんって呼んでる。
「そういえば、さっきからずっと大通り騒がしいけどなにかあったの?」
「ん?さぁ?」
「ねぇねぇ、ちょっと見に行こうよ。二人とも」
(僕は悪い予感以外しないんだけどさ)
「遅刻したらどうするんだよ」
「そんときはそんとき。もし魔法少女とかだったら損だよっ?」
「はぁ」
言い忘れてたこの人がメルヘンなのは名前だけじゃなくて頭の方も。
「お、おい、誰も近づくなよっ!近づいたらこの女を殺して俺も死んでやるっ」
ナイフを持った暴漢が少女を人質にしている。
「あれなんかの映画かドラマの収録?」
(なんか、様子が変だ。カメラマンらしき人もいなければ監督みたいな人もいない)
「まさかっ、ごめん。二人は先学校行っててっ!」
カバンを翔に渡し、人混みを走る。
「おいっ!、あのバカはっ!」
「く、このままじゃ間に合わないっ」
(そうだっ!)
履いていた靴を勢いよく男の顔面に投げつけると男はそのまま気絶した。
「ふぅ、、これで良かっ、、た、、?」
(あれなんでだろう、背中が痛い、、何か大切なものが体から流れ出ている気がする)
「「いやぁぁぁぁぁぁッ!!」」
一瞬上を見上げるとフードを被った少女の手にはおそらく僕の血で染まった日本刀のような何かが握られている。
(ああ、僕は死ぬのか)
急にひどい睡魔が襲ってきた。
「ま、眞白っ!。頼む、頼むから目を覚まして、、」
人の声が聞こえなくなってきた。
ゆっくり目を開けると白い天井があった。
(あれ?僕は確か、、いてて)
背中に激痛が走る。
「やっと目を覚ましたっ!」
見覚えのある人が僕を思い切り抱きしめた。
「か、義母さん?」
(ん?僕の声なんかおかしい)
「そうよ、久しぶりね」
僕が義母さんと呼んでるこの人は育ての親で涼宮由加里。
「僕は、、」
「君は瀕死だったんだ。血だらけで君のお友達が必死に助けを求めて叫んでたんだよ」
「友達、、そっか、翔たちが、」
「あと2つ言わないとなんだけどね。有栖ちゃんがショックで違う学校に、、」
「そっか、、、」
「もう一つはね、、鏡」
「鏡?」
「鏡、見てくるといいわよ」
そう言われ、病室の鏡をゆっくりみるとそこには綺麗な薄紫色の髪に柔らかそうな頰、くりっとした瞳、艶かな唇の見惚れてしまいそうな可憐な美少女が映っていた。
「ねぇ、義母さん、この鏡ってからくりあるの?」
「そんなわけないでしょ。嬉しい、、こほん、残念だけどそれが今の眞白よ」
上と下に触れると上はあって下がない。
(今この人嬉しいって言ったよね。絶対言ったよね??)
「もうお婿に行けない、、」
「大丈夫よ」
「う?」
「だってやっとお嫁さんに行けるじゃない」
「義母さんのバカァッ!」
枕を義母さんに投げつける。
「先生はもう退院していいって」
「あれから何日経ったの?」
「一週間、あなたは一週間も寝たきりだったの。それも生死の境を彷徨って、、」
「に、入試はっ!?」
「焦らなくて大丈夫よ。急用とかで入試に出れなかった受験生を明後日再入試させてくれるみたいだから。もちろん女の子として、ね」
「ふぇぇぇぇっ!」
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