第2話 可愛い

「げっ」

 僕を見るなりそんな声をあげる、そんなミナトさんは大学でバレー部の練習帰りであった。

「あの女性のここの、お尻の構造がわからなくて……」

「だめ」

 即答。


 僕はエロマンガ家を目指している18歳。

 しかし、家にインターネットできる環境がなく、資料を調べられず、女性の体の構造がどうしてもわからないでいた。

 

「あの、僕絶対にエロマンガで人を元気に、幸せにしたいんです。 その為に協力してください」

 

 僕の強い意志の籠った目をみた、ミナトさんはひっ、と身じろぐ。

 そう、彼女は情熱を持った人の強い押しに弱いのだ。


「だめだって、だめー!」



「ありがとうございました」

 僕は、すっきりした顔をしてスケッチブックを閉じる。


 目の前には、「うっうっ」と断り切れず、下着姿でポーズをするミナトさんのすがたがあった。


 








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