Money is Magic

睡眠者 アトラ

第1話 出会い

この世には、人を動かす四つの言葉がある。


ひとーつ、「金」それは偉大なるもの、すべての根源であるもの

ふたーつ、「銀」偉大なるものを支えるもの、力は金とは劣るがまあまあなアタック力

みーつ、「銅」初期なものに使われるが、汎用性が高いため多く使われる

よーつ、「無」無から生まれることはあるのだろうか、奇跡が起こるのはこれからだろう


この四つを触媒に魔法が唱えられる、なお無は異端であるためか手で輪っかを作ることによりその意味を成す。これからの物語はお金が魔法に代わる世界、マネストローで起こったアクションファンタジーかつちょっとエロエロである。

それではいこーか、無無無無。ポーン。


俺はコク、お金はない。そう、辺鄙な村に住んでいる今年で16になる男だ。村は静かだし川も山もあるし、食料も豊富だけどほぼ自給自足だからお金がないんだ。街に行くと裕福なひとしかいない、だから普通に魔法が使われる。貧乏には天と地ほどの差があるように思う。だ、か、ら俺は町にでて仕事をしようと思う。我ながらいい考えだろう。出発しんこーう。

俺の本当の目的が分かるか諸君、俺は街でとにかく出世して良いとこのお嬢さんとキャッキャうふふすることだ。村娘など俺には必要ない。

村を少し出た通りにウサチャーンという魔物が出るらしい。怖いと思いながら俺は前進する。前方の草むらから、

「かさかさかさ」

ゴキブリかな、と思い近づくとババーン、ウサチャーンが現れた。俺はすかさず逃げた。この世界の魔物は魔法でしか倒せないのだ。お金の力すげーと思いながら村から持ってきた人参をウサチャーンに投げるのではなく自分でポリポリとかじりながら走った。無我夢中で走っていた俺は周りのことなど気にする余裕はなかった。

「キャっ」

知ってた。俺は少女にぶつかってしまった。そうこいつこそが俺のうふふ人生の一人目、名前は、

「ノーマスと申します」

「あなたの名前は?」

「お、俺の名前はコク」

なんだこいつ俺が胸に食べかけの人参をいれてるっていうのに自己紹介だとー。俺は動揺した顔を隠せきれなかった。困った顔で彼女は言う。

「お母さまがこういう時は自己紹介しなさいと」

「いや絶対ちがうよね。俺押し倒して胸に人参突っ込んでるんだからもう少し違う反応があるよね。」

「でも、しなさいと言われたので・・・」

「も、もういいよ」

名残惜しいが胸の人参を取り、手をどかしそして立ち上がった。俺は胸汗がついてるかもと思い人参を食す。ゲスイ部分もだし続けるもさすがに彼女に危機感が足りないと思った俺はノーマスの母親に説教することを一つの目標とした。

「ちょいとお前のお母さんに話がある。連れていけるか?」

「はいっ」

と彼女は答えた。まあ説教というか娘さんをくださいよろしくの流れで行くつもりなんだけど。見た目はお嬢様風にドレスっぽいものを着ているし、なおさらお金持っぽいじゃん。

「ところでコク様、なぜお急ぎで」

「ウサチャーンが追いかけてきたんだよ」

「後ろのその子ですか?」

首だけを回し後ろを見る。

「はい~~~」

「仕方がないですね倒しましょう。」

と言って銅を四つ投げ唱えた銅銅銅銅、凄まじい光がウサチャーンを包み込みそして消えてしまった。

「はおっすご」

「コク様、銅さえ持ってないんですね。かわいいです。」

「舐めちゃうぞ~」

なんだ馬鹿にされたのか。おっぱい人参に馬鹿にされたのか。・・・しかしすごかった、魔法ってあんなのなんだ初めて見た。うわさには聞いていたが魔法は火、水、風、光、闇の属性を有する。それぞれ人にあった属性の魔法が発動される。発動される魔法はランダムでルーレットやっているような気分。光と闇はごくまれな存在なんだがまさかおっぱい人参がそうだったとは。ちなみに俺はお金ないから発動したことがない。最低の魔法でも四つの銅が必要だし銅っていっても中級の人が一日に手に入るお金が銅一枚だしな。

「よく知ってますね。」

「えっ聞こえてたの。」

「おっぱい人参・・・」

「やめーや。」

そして笑いあった。俺は昔村にあった魔法の使い方という本を読んだことがある。だから魔法の使い方はわかる、彼女の使い方は少し邪道だった。お金は順番に一つ一つ投げなきゃいけないのだか彼女は一気に投げてしまっていた。だからか技名もない光に包まれるだけのものだった。俺は渋い顔をしていた。

「どうされました。」

「いや、なんでもない。行こう。」

俺たちは通りをぬけ町が見えるほどにまでたどり着いた。俺が村を出たのが朝早くでここまで夕方になるまで歩くのかなんかだいぶ遠くに来たって感じだな。明かりは何も持ってないので声だけの確認だった。

「よし、今日はここで野宿しよう。夜は危険がいっぱいだし。」

「のじゅく?なんですかそれは。」

「キャンプっていえばわかるか?」

「それならわかります。」

さすがの俺もノーマスを地べたに寝かすのは心苦しかった。だから俺は彼女を抱っこするようにして寝た。

「あの、コク様?・・・」

「すううううううううううううううううううううううううううう」

その瞬間脳裏にその香りが閃光のように駆け巡るのだった。俺の脳みそが彼女でいっぱい。おっぱいに人参突っ込んだ時もうすうす気づいていた。こいつ匂う。表すなら音に匂いがあるかなようで一つ一つにスタッカートがあるそしてドルチェ。羽毛100パーセントの柔らかさ、神。

「コク様怖いです。」

ぺちっ

「はっ戻ってこれた。」

この後、俺たちは子供が泣きじゃくった後のように静かに眠りに入った。

次の日、町の方角から太陽の光入り込んでくる、まるで俺たちを待っているかのように。

「うっうーー」

その声につられ俺も起きた。

「おはよー」

「おはようございます。」

彼女はもうきっぱりと起きたような様子だった。俺はまだ頭がさえない。昔から朝は弱いタイプだ。それでもがんばって土踏まずを地につけた。

「行こう。」

俺たちは何も危なげなく町についたのだった。

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