第25話 『交響曲第4番』 マーラー

 マー先生の交響曲の中でも、とりわけロマンに溢れたピュアな交響曲。


 ただし、実は、相当、皮肉に満ちた悪魔的な音楽なのだ、という解釈もありますが、やましんは、ことこの曲に関しては、そういう見方をしたくない。


 個人の勝手ですけど。


 学生時代から持っていた、この曲に関する夢のような印象を、いつまでも失いたくないのであります。


 かつて、恋焦がれた方に対する、その純粋な美しさをけっして、忘れたくない、というような、憧れと、あたかも夢に近いような失われたロマンスなのです。


 十分、皮肉かしら。


 第4楽章に、美しい美しい、ソプラノ独唱によるお歌が当てられております。


 天国の情景を歌ったものという感じですが、『俗世の喧騒は、天国では聞こえない・・・俗世の事はもう知らないよ~』とも歌われているので、確かに見方によっては、いささか、『仕事辞めたから、もう関係ないや~』と、言っている感じもないではないです。


 しかし、これは『子供の魔法の角笛』が基本にあるというのですが、(ドイツの民謡歌集。1806年から08年に出版。)そこは、子供の視点を借りて、大人がいささか社会を皮肉った可能性はありますけども。


 ま、でも気持ちよく、楽しく聞いた方が、メンタル的にもよいのではないか、となぜか素直な気持ちになる、やましんなのでした。


 それだけ、癒し効果のある交響曲。


 ただし、『第3楽章』は、ちょっと、マー先生的に、深刻な感じもします。


 そこを『第4楽章』が、じゅわっと慰め、泣かせるのです。





 


 

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