ダンジョン攻略のメイドさん
レヴィ
第1話ダンジョンのパートナー
この世界には、ダンジョンを攻略して生計を立てる者たちがいる。
大昔に突如各地に現れたダンジョン。食料や資材に使える素材が大量に手に入ったことから、ダンジョン攻略を生業とする者たちが出てきた。
そして、今では国が機関をつくり、管理している。
ダンジョンの攻略をする者たちは【エクスプローラー】と呼ばれ、ダンジョンのモンスターを討伐し、食料や加工用として売ったりして生計を立てている。
もちろんダンジョンは未だに未知の領域が多く、日々変化しているらしい。モンスターやそれ以外の生き物も住んでいるとか。危険も多い。
僕の名前は【ジン】
今日は20歳の誕生日。今日から僕もエクスプローラーの仲間入りができる歳になった。
武器屋で仕事の手伝いをしてたこともあって、安い装備を譲ってもらえた。
そして今、僕はダンジョンの入り口の前にいる。
ダンジョンは国が作ったダンジョン統括機関によって管理されているので、入り口の前には受付兼集会所がある。受付を済ませれば、ダンジョンデビューだ!
「ダンジョンに入られるのですね。…パートナーの方はどちらですか?」
受付の女性がそう言った。
「えっと…集会所で探そうと思ってて…」
そう。実はダンジョンに入るには【パートナー】が最低一人必要なのだった。
なので集会所でパートナーを探してからが本当にダンジョンデビュー。ぼっちの僕には世知辛いルールだ。
「…ううぅ。話かけにくいなぁ」
そう言って僕が困ってウロウロしていると、
「パートナーをお探しですか?」
僕に話しかけてきたのは金髪に青い目をしたメイド服の美しい女性だった。
「え…そうですけど、あなたは?」
「私はメイドをしております。【メリア】と申します。もしよろしければあなたのダンジョンのお供にしていただけませんか?」
「…え?」
僕はに彼女を二度見した。たしかに美人だったし、話しかけられてドキっとしたが、問題はそこじゃない。何せ彼女はエクスプローラーでもなんでもない、本人も言っていたが、【メイド】なのだ。なぜ!?と疑問しか出てこなかった。
「決してお邪魔は致しません。お役に立つとお約束いたします。」
彼女はそう言ってこっちを見つめている。かわいい。
「…そこまで言うなら。いいけど、危ないから後ろに隠れててね?」
僕はとりあえず、ダンジョンに入れるならと、彼女の申し出を承認した。
決して可愛さに負けたわけではない。決して。
「承知しました。では、ダンジョンに入りましょう。」
そう言って彼女はカバンを一つ手に持つと僕と一緒にダンジョンの入り口にむかった。
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