魔女と三匹のうさぎ

前花しずく

第1話

(基本設定……うさぎ三匹はそれぞれ勝ち気、おませ、怖がりの三匹で、一応主人公は勝ち気なうさぎ。後半の女の子を追いかけるところ以外はできるだけ三匹に均等にセリフが渡るような描き方(セリフを言う子を手前に大きく描くなど)をする。あとは、誰が誰だか分からなくならないように一匹はまつげ、一匹は頭にリボン、とか、それぞれ違う色で塗る、とか、差別化を図るようにする)


 深い森の、ずっとずっと奥の方。


 美しい若緑色をした木や草がいっぱい生えた魔法の森がありました。



 そこは動物たちのすみかになっていて、たくさんの動物たちが、仲良く暮らしていました。


(魔法の森の全体の絵。できるだけいろんな動物を散りばめる)


※ ※ ※


 中でも元気なうさぎの子どもたちは、今日も葉っぱの生い茂る原っぱで一緒に遊んでいました。


「わーい、こっちこっち!」


 うさぎの子の持ってきた草のボールで、三匹はボール遊びをしていました。



 そのとき、木の陰からうさぎたちを見つめる人影がありました。


(うさぎが遊び、奥の木の後ろに黒い陰。光る目は描いてもOK)


※ ※ ※


 その人影はうさぎたちを指差して「えい!」と叫びました。


 するとどうでしょう!うさぎたちの遊んでいたボールはあっという間に消えてなくなってしまったのです!



「わー、ボールが消えちゃったあ!」


「消えちゃったあ!」


(女の子の後ろ姿or手だけドアップ、奥に慌てるうさぎたち。点線で丸を描いて、ボールが消えたことを表現するのもOK)


※ ※ ※


 うさぎたちは口々に言いました。


「これじゃあ遊べないね」


「じゃあ今度はこれで遊ぼう!」


 うさぎの子は草で作った輪っかに体を通して、くるくると回して遊び始めました。



「楽しそう!僕もやる!」


 他のうさぎも真似をして、何回回せるかの競争を始めました。


(フラフープで遊ぶうさぎたち。一匹がアップになっていると絵にメリハリが出る)


※ ※ ※


 しかし、また木の陰から人影が手を伸ばして「えい!」と叫ぶと、草の輪っかはあっという間にしおれて使えなくなってしまいました。



「これじゃあ遊べないよ」


 うさぎの子はしおしおになった輪っかを見て言いました。


(しなびた輪っかとそれを持って落ち込むうさぎ。茶色で塗るなりしてしなびたことをアピールする)


※ ※ ※


「じゃあかくれんぼしようよ!」


「賛成!」


 三匹は森の木を使ってかくれんぼをして遊び始めました。


(できるだけ森の広さが伝わる絵だといい。理想は魚眼レンズのような感じ)


※ ※ ※


 でも、また人影が現れて、「えい!」と叫ぶと、なんということでしょう、森の木が全てなくなってしまったのです!



 森の動物たちは困りました。みんなのおうちはなくなって、食べる物もみんななくなってしまったのです!


「どうしよう、僕たちの森が!」


(このページもできるだけオーバーに。前のページと同じ構図にする。困っている森の動物たちも描く)


※ ※ ※


 そのとき、三匹のうさぎは平らになった周りを見て、やっと人影に気付きました。


「君は誰?」


(女の子と、その周りに集まるうさぎ三匹)


※ ※ ※


 近寄ってみると、その人影は人間の女の子でした。うさぎの子が話しかけようとすると、女の子は走って逃げてしまいました。



「あ、待て!」


 うさぎの子は他の二匹を置いて、夢中で女の子を追いかけました。


(逃げる女の子と追いかけるうさぎの絵。両方とも後ろ姿の方が望ましい)


※ ※ ※


 しばらく走ると、見たこともない森に辿り着きました。川が流れ、草木が生い茂り、お花もいっぱい咲いていました。



 そしてうさぎの子は、そこの一番大きな木の上に、小さなツリーハウスがあるのを見つけました。


(綺麗な森とツリーハウスの絵。うさぎがいてもいなくてもどちらでも可)


※ ※ ※


 木を登って覗いてみると、さっきの女の子が一人でうずくまってないていました。



「なんでいじわるしちゃうんだろう。一緒に遊びたいだけなのに。寂しいな、寂しいな」


(しゃがんでいる女の子と、後ろの窓から覗くうさぎ)


※ ※ ※


「ねえ、君」


 うさぎの子は中に入って泣いている女の子に話しかけました。


「僕たちと遊びたいの?」



「うん、でも私、あなたたちにひどいことしちゃった。ごめんなさい」


 女の子は泣きながら謝りました。


(目に手を当て泣く女の子と慰めるうさぎ)


※ ※ ※


「大丈夫、誰も怒ってないよ。僕たちと一緒に遊ぼうよ」


「本当?」


 女の子はやっと泣き止みました。



「だからさ、僕たちの森だけは元に戻してくれる?僕たちの大事な森なんだ」


「もちろん。ありがとう!」


(泣き止んだ女の子と笑って話すうさぎ。前のページと同じ構図にならないように注意)


※ ※ ※


 女の子はうさぎの子と魔法の森に戻って、森を元に戻しました。


(見開きでまた森の全体を描く。さっきの絵とほぼ同じでもいいかもしれない)


※ ※ ※


 それからというもの、女の子とうさぎたちはいつまでも仲良く遊んだのでした。


(女の子がうさぎにまじって遊ぶ絵)


(最後に一ページ「めでたしめでたし」みたいな文章なしのページがあると商業絵本っぽい)

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魔女と三匹のうさぎ 前花しずく @shizuku_maehana

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