魔女っこ 唯ちゃん

アンクロボーグ

はじまり

『魔女っこ 唯ちゃん』



2022年、まだ寒さの残る4月のある朝のこと、美宝 唯、7歳がパジャマのままで部屋に飛びこんで来た。

すべては、この時、始まった。


「おじいちゃま!誰にも言っちゃあ だめよ」

「唯のヒミツ…大好きなおじいちゃまにだけ!教えてあげるね」

美宝重工の創業者であり会長の美宝 洋介は、かわいい、かわいい孫娘が夢中で話すのを聞いていた。

「わたしね!さっき、夢の中で、魔法の国パラサララのお姫様とお話ししたの!!」

「それでね!お姫様は、今ね!悪い悪い、あ ん こ く の国ガルナマーナの闇の魔王に魔法をかけられてあ ん こ く す い し ょ うの中に ゆ・う・へ・い (幽閉の事)されててね!そこから、わたしだけにやっとの思いでね!!通信を送ってきたの」


かわいい孫娘の話は尚も続き、美宝 洋介は、やさしい表情で聞き続けた。


「それでね!魔法の国パラサララの人たちは今、とっても苦しんでいるの。でね!お姫様を助け出すためには人間界にある7つのセレセロの じ・ょ・う・か・の・い・し (浄化の石)を集める必要があってね」


唯はここで大きく呼吸をして気持ちを落ち着かせ、美宝 洋介の顔を見つめ…


「手伝って欲しいの!!おじいちゃま!」


そんな話をしていた…その時、美宝 洋介の寝室の受話器が鳴る。

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