第2話 朝の勝負 双刃VS大八1

 双刃と大八は、カードで戦う為の山札、通称【デッキ】をシャッフルする。そして、お互いに相手に渡し軽くシャッフルする。


 そして2人は、距離を開け、【SPソウルパートナーモンスター】というこのカードゲームに必須なカードをパートナーモンスターとして、一枚裏向きで、【フィールド】──このゲームでモンスターが戦う場、言い方を変えればステージに裏向きで置く。


 そして────


 「「テイマーバトルスタート」」


 掛け声に合わせて、2人の戦いが始まった。


「俺のパートナーは、『ギガントベアー タンクス』」


「俺のパートナーは『上獅子じょうしし ガルル』」


 大八の目の前にタンクスが、双刃の目の前にガルルが本来の大きさで現れた。


「グハハッ今日こそお前を倒してやるぞ、ガルル!」


「百獣の王のモンスターである俺を熊如きが、勝てるのか?」


 二回のモンスターは、闘士を剥き出しにして威嚇している。


 パートナーモンスターを表にして名前を宣言して互いに、デッキから5枚手札に【チャージ】──手札に加える。

 さらに5枚表にしたモンスターカードの下へ【ライフ】──パートナーのHPヒットポイント所謂体力をカードの下に裏向きで置いた。

 そして、【モンスター】──この勝負で相手のパートナーモンスターやその他のモンスターと戦い破壊されるまでフィールドに残り続けるカードの召喚や【マジック】──使用することで、一度その効果を使えるカードの発動に必要なモノ、「エナジー】を7つ【チャージ】する。


「俺はタンクスの効果でエナジーを二つ払ってあるからエナジーは5つだ!俺のターン、手札とエナジーをチャージ!」


 モンスターを召喚する時、一つエナジーを払う必要がある。


 しかし最初からフィールドに存在するパートナーモンスターは、対象外になる。


 ただし、パートナーモンスターとしてではなく、普通のモンスターとして召喚する場合、カードによっては2つ以上払う場合があるSPモンスターは、最初のカードとして選択した場合そのカードによって記された分のエナジーをテイマーバトルの開始時に、コストとして支払う必要がある。


 大八はデッキからカードを1枚とエナジー3つチャージした。


「俺はエナジー二つ使い、『タンクゴーレム』を召喚だ!」


 大八は、モンスターの『タンクゴーレム』をフィールドに紹介した。


 すると、テイマーバトルをしている彼らの前、場所的には大八のフィールドに肩に戦車の射出坑がある大きな岩のモンスターが現れた。


 このモンスターは、召喚コストがエナジー2つ必要な為、通常よりも多めに払う。


「さらに、もう1体『タンクゴーレム』を召喚してターンエンドだ!最初のターンは攻撃できないからな」


 双刃のターン


「俺のターン、ドロー、エナジーをチャージ」

「俺は、『ザゴラン』を召喚!」


 彼は、豆柴サイズの小さなドラゴンのモンスターを自分の場に出現させた。


「そして『ザゴラン』の効果発動!このカードを手札から効果以外で召喚した時、パワー1000以下のモンスターを3体までデッキから召喚できる!」

「俺はデッキからさらに『ザゴラン』を三体召喚」


 因みに、モンスターはデッキに同じ枚数のカードを5枚までしか入れることができないが『ザゴラン』は自身の *【個力】── *【群れ】 で、デッキに好きな枚数を入れることができる。


 双刃の自分フィールドに、小型なドラゴン達が並びたった。


 それを見て大八は──


「双刃、俺のタンクスは、パワー8000、さらに『タンクゴーレム』は、パワー7000!俺のモンスターは倒せないぜ」

「しかも、お前の『ザゴラン』達はパワーが1000!ガルルはパワー5000!俺の勝ちだ!」


「いつもそう言って、大体俺がファイトで勝っているけどね」


 双刃は、苦笑いで皮肉を言う。だがそんな事を気にせず大八は────


「だが、今日は俺が勝つ!『タンクゴーレム』の効果発動!エナジーを1つ払って3000以下のモンスターかキャッスルを破壊する、俺は『ザゴラン』を破壊する」


 この『タンクゴーレム』は、エナジーを払うことで指定数値以下の相手モンスター及び *【キャッスル】 という種類のカードを破壊できる効果を持っている。


「なるはどね、じゃあ俺は、大八が選んだ『ザゴラン』を選びそして他の『ザゴラン』1体を選択して、 *【デュアルゲート】 にする、これでパワー+1000計4000になる」


 双刃は、デュアルゲートというこのTCGでのルールを使用し、指定した「ザゴラン』にそう1体の同名カードを *【ソウル】 へ入れた。


「ならば、もう一体の『ザゴラン』をエナジー1つ払って破壊だ」


「それなら、また『ザゴラン』をデュアルゲートにする」


 これで、双刃の場には、ソウルがあるモンスターが2体存在する。


 双刃は、相手の効果を無効にしていく。


「これで『タンクゴーレム』の効果で使ったエナジーは無駄になったね」


「くそー!」


「さらに俺は、手札から『ナイトソードマン』を召喚!」


 小さい交通ポールのような頭部の防具と西洋型の鎧をつけ剣を持った戦士が現れた。


「さらに効果で手札デッキから『ナイトソードマン』を好きな数召喚できる。俺は、手札デッキから『ナイトソードマン』をフィールドに4体召喚して、俺のフィールドに計5体の『ナイトソードマン』が存在する」


 双刃は自分のフィールドにモンスターを多く出した。


大八は先程の失敗を考え、へたに効果を使うとエナジーが意味なく減ってしまうため、使わずにいた。


「俺は『ナイトソードマン』3体と2体を重ねて、デュアルゲートにして2体のパワーを9000と6000にする」


 5体いた同じモンスターが、2体になった。


「それじゃあ、バトルフェイズ!」


 バトルフェイズになると、モンスターを横向きにすること【レスト】することで、攻撃が出来る。しかも、攻撃する時、複数のモンスターをレストする事で、 *【チームアタック】 が出来る。


「パワー5000のガルルとパワー4000の『ザゴラン』でタンクスにアタック」


 ガルルとザゴランが、相手のタンクスへ攻撃をする。


「なら俺は、タンクスの効果発動!エナジー1つ使ってパワー+2000計10000だ!


 大八は、タンクスの効果によりパワーを上げ、返り討ちを狙う。


 だが双刃は──


「それならガルルの効果で、エナジーを1つ払って、パワー+3000合計12000、これでタンクスを破壊して、ダメージ1!」


 ガルル達はタンクスを攻撃して、破壊した。


「俺はタンクスが破壊されたことで、ライフからカードを手札に加える。その後、パワーが8000に戻るがな」


 パートナーモンスターは、ライフが0になってその後、破壊されるまで、フィールドに残り続ける。それはガルルも同じである。


「さらに俺は、パワー4000の『ザゴラン』とパワー6000の『ナイトソードマン』でタンクスにアタック!」


「俺は、タンクスの効果をつかってパワーを10000にする。相打ちだ」


 3体はぶつかり合い、3体と破壊された。


「双刃、やっぱりつえーな」


「俺は『ザゴラン』と『ナイトソードマン』のソウルを使って、フィールドに残す。そしてターンエンド」


「だが、俺は負けない! 俺のターン、チャージ!」


 大八は、大声を出して気合を入れた。










  ──────────────────

テイマーバトルの用語説明!


*【個力】─ー特定のモンスターの効果以外にある固有の能力。効果無効の効果を使わた場合にも無効化されない。


*【群れ】──個力の1つ、同名モンスターを好きな数入れることができる。


*【キャッスル】──モンスターのパワーとは別に、ガードという数値を持ち数値が0になるまでフィールドに残り、効果を発動し続けたりふるカード。

 モンスターは、パワーを上回らないと破壊出来ず、下回ったモンスターが攻撃してもパワーは変化しないが、キャッスルは、ガードが下回ったモンスターに攻撃された場合、そのモンスターの数値分ガードの数値が−される。


*【デュアルゲート】──このゲームのルールの一つ。

 モンスターのソウルに同名モンスターが存在する時に、パワーが+3000される状態。

 また、自分のフィールドに同名モンスターが複数存在する場合、一体それに該当するモンスターカードを選び、その後それ以外の同名モンスターを選択する事で、最初に選んだモンスターのソウルに入れることで、デュアルゲートをすることができる。

 さらに、相手カードの効果を発動時に連鎖して使用することもできる


*【ソウル】──モンスター(パートナーモンスターも含む)やキャッスルの下に表向きで置いてあるカード。ソウルがあるカードは、破壊される時に、そのソウルを一枚 *【墓地】 へ送ることで墓地へは行かずにすむ。その際、パワー及びガードが素の数値になる。


*【墓地】──破壊されたり手札から捨てたカードや使用したマジックなどを置く所。


*【チームアタック】──2体以上のモンスターをレストする事で、レストした分同じ相手モンスター及びキャッスルに攻撃が出来る。チームアタックの場合、その際レストしたモンスターの合計分のパワーになる。


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