ポッポウィーウィー
よもぎもちもち
第1話ホルモン屋さん
ようこそ。丸ホルモンへ。今宵は珍しいお客さんが来られました。カメレオンのポッポウィーウィーさんです。ウィーさんはハチノスが好きなのです。どの部位なのかなんて気にしてはいけません。そんな小さな事を気にされるお客様は昨今珍しいもんです。とにかくウィーさんはハチノスが好きなのです。ハチノスを三切れ焦げ目のついていない新しい網の上で転がすのが好きなのです。ウィーさんはハチノスを箸で器用に転がしながら中瓶のキリンラガーをちびちびと飲みます。丸ホルモン店主のナマケモノはそんなウィーさんの後ろ姿を見てホッと安心します。「今日も平和なのですね。よかった。」ナマケモノが心の中でそう呟いただけなのに時計の針は5分進んでしまいました。ナマケモノなので動きは超スローです。誰がどう見てもスローなのです。せっかちなコモンマーモセットさんは一度ブチ切れました。余りにも応答が遅いものだから怒髪天つく勢いで叫び店を飛び出したことがあります。でもウィーさんは気にしません。店主はマナケモノですから。ウィーさんはこんがり焦げ目のついたハチノスを小皿にとりペロッと長い舌で口の中へ運びました。そして、ゆっくりと振り返り「サリー」と静かな口調で呼びました。サリーは丸ホルモン店主ナマケモノの名前です。ナマケモノなのにサリーなのです。サリーはゆっくり時間をかけてウィーさんに答えます。「お呼びでしょうか?」3分を使い返事をしました。ウィーさんのビールグラスが新しい汗を掻きました。「サリー、すまないんだけどクールのブースト5mmをお願いできないかね」クールのブースト5mm!サリーは世界中のどのナマケモノでも真似できないくらい大きく目を見開いき驚きました。驚きのピークを迎えるまで4分経過。人間の世界ではコンビニでも売られてる他愛ないメンソール煙草。「とうとうその時がやってきたのですね。すぐにじゅんびしますから」サリーは今まで生きてきた中で一番と言っていい位に焦りました。13分経過。
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