我々がファッションショーを開くならばっ!②
「次もいくわよぉ!」
「おぉ!はやく見せてくれ!俺に残された時間(血液)が無くなる前に!」
「ティアちゃんメアちゃんおいでー!」
「ん…ちゅうしゃ……」
「これもこれで動きにくいのだ!」
「こ…これはっ!?ナース服!?ぐはっっ!?」
ナース服!それはピンク色を模した男の夢!!イッツアドリームッッ!!本来ナースは病気で床に伏せている患者を看護するためにあるはずが俺たちはそれを看護するための制服として見ることは出来ないッ!清潔である為に包んだ身体を汚してしまいたくなるのは男のサガと言わずにはいられないッッ!!
「せんせい!僕に注射をしてください!!」
「うわ!くるな!」
「ん…お注射…する……」
「お願いします!」
「あなた…多分あとで後悔するわよ…」
後悔?いったい何を言っているんだフリコは…そんなことより見てください奥さん。うちの子、可愛いでしょ?
「ティアはワシが育てた。」
「ん……?」
「いつから人間の一人称はワシになったんだよ。」
「育てられた覚えないって顔ね…」
更に次いってみようか!!
「ん…みこ。」
「どーまん!せーまん!」
「巫女服!あとメアそれは陰陽道!!巫女関係ないよ!!」
巫女服だぞ!!巫女服!しかも……しかもお前これ……
「脇が開いてるじゃないかぁぁーッッ!?」
「うんうん…これもあたしが作ったのよ。脇が開いてる方がなんというか、いいじゃない?」
「なんてはしたないものを作るんだフリコ!!これじゃあティアとメアの脇がチラチラと見えて……ナイスセンスッッ!!」
巫女服!巫女服とは今でこそバイトなどで使われる服装ではあるが元来巫女とは神に使える者!その心身を神に捧げて神楽を舞い神託を人々に届ける聖なる役目なのだ!そしてそれをコスプレにしまうということは…そう!神への背信行為!!しかしそれは人間には只の興奮材料にしかならない!!なんたる暴挙!!だがそれがいい!それこそがいいのだぁッッ!!
「あ、終わったかしら?」
「あぁ申し訳ない。ちょっと向こう側の世界に行っていた。」
「帰ってこなければよかったのに。」
巫女服のメアが呟く。そんなにジト目になるなよ。巫女で魔族でジト目とか属性が多すぎるだろ?まったく…
「そんなこと言って本当は嬉しいんだろーほらほらぁ?」
「うるさい!我と人間はそんなこと言えるほどの仲じゃないだろ!」
「そうだったのか…」
「ん…メア…あるじをいじめたら…めっ!」
「ひっ!ご…ごめんなのだぁ…ゆるしてほしいのだぁ…」
「ん…よしよし…よく言えました…」
メアは泣きながら謝る。ティアに。
え?俺じゃない?謝るなら俺じゃない?傷付いたままだよ?心は抉られたままなんだよ?
あとティアはなんだかあれだな、母性が凄いな。一瞬で泣かせたぞ。めっ!とかいう叱り方なんてティア以外に聞いたことがない。
「じゃあ次が最後かしらねん。」
「えー…マジかよフリコ…俺の傷付いた心に癒しをくれ…」
「知らないわよそんなの…そんなことよりもほら見て、来たわよ。」
「はぁ…あと一回なんて…そんなんで心が癒えるわけ…」
「ん…ゴス…ロリ…」
「これで終わりだろ、はやくご飯食べに行きたいのだ……」
「心が癒えたーッッッ!!」
「もう飽きてきたわねそのノリ。」
そんな寂しいこというなよフリコ、これで終わりだ。
そんなことより!ゴスロリ!!俺が一番ティアに似合うと思うコスプレナンバーワン!!コジック・アンド・ロリータ!!略してゴスロリ!!
フリルやレースを用いて膨らんだスカートがヒラヒラしていて実に可愛らしい!少女趣味的デザインはまさに幼女のために作られたと言っても過言ではない!!黒を基調に差し色として加えられた白色がたまらないっ!気になる方は今すぐGo○gle先生に教えてもらって!!
「はぁ…はぁ…俺はやりきったんだ…この大勝負…俺は勝ったんだッ……!」
「負けてるよね?社会的に敗北してるよね?大敗を喫してるよね?」
「メアちゃん、突っ込んだらダメよ。この子はこの子なりに頑張ってるの…」
「ん…よしよし…」
「無言で頭を撫でるのやめて!?そんな可哀想な目で見ないで!?大丈夫だから!俺は正常だから!!」
「とりあえず休みましょう。あなた、鼻血の出過ぎでそのへん真っ赤な泉よ。」
「そうか、斧投げ込んだら金色の斧とか出てくるかな?」
「どうかしら?寧ろ魔神的なモンスターが出てきそうだけど。あと帰るのはお掃除してからにしてちょうだい。ほら、貴方は向こうで寝てていいから。ティアちゃんメアちゃん、手伝ってくれる?」
「なぜ人間の尻拭いを我がしなきゃならんのだ…」
「ん…あるじのためなら…」
フリコが気遣って俺を抱えて連れていってくれた。お姫様抱っこというやつをされたのは初めてだが抵抗なんて出来ない。多分俺はオカマにだけは勝てないのだろう。勝ちたいとも思わないが。
「あー…最高だった…」
俺は一言呟いて意識を暗闇に放った。あ、オカマに対してじゃないよ?コスプレに対してだからね?
●
「あるじ…起きて…」
「う……おぉ、寝てた。悪い。」
眼を擦りながら開けると、上からティアが覗きこんでいた。可愛いティアに起こされたなら寝起きも良いものだ。眠気なんて吹き飛ぶ。
「ん…おはよう。」
「おー!人間!やっと起きたんだな!」
「あらぁ駿河ちゃん起きたかしら?」
「あぁ、おはよう。しっかり目が覚めた。そういえば俺は眠る前になにを……」
確かここに来たのは服を買いに来たはずだ。ん?でも何かしたよな?…んー…あ!そうだファッションショーをしたんだった!可愛いティアとメアのファッションショーを!!いやまて?俺は何を言ってたんだ?
「あの…ティア?フリコ?」
「なにかしら?」
「ん……?」
「俺、変なことを口走ってたよな…?」
「変なことっていうか変態だったよなー!わははー!!」
「ぐふっ!?」
ぐはぁっ!?そりゃそうだ!何が神への背信行為だよ!完全な暴論じゃねえか!巫女服コスプレしてる人に謝れ!ごめんなさい!
「まあ端から見れば通報ものよね。私より酷いかも知れないわ。」
「あぐぁッッ!?…ティア!…ティアは…どうだった…?」
「ん…あるじは…どんなあるじでも…大好き。」
「あぁ!……あぁ!女神さま!!俺の救いはティアだけだ!!愛してるぞ!ティア!」
ぎゅうっと抱き締めてやるぞこのやろう!!やっぱりうちのティアは他のやつとは違うんだよ!!バーカバーカ!
「実は駿河ちゃんを一番ダメにしてるのってティアちゃんよね…」
「うー…なんでティアはそんなに人間のことが好きなのだ…」
「ん…メアもいずれ分かる…よしよし…あるじは…悪くない悪くない…」
「我は分かりたくないぞ…」
「幼女に泣きついてよしよしして貰って喜んでる辺りほんとに通報とかした方がいいのかしら?」
「やめろ、それはやめてくれ。」
はぁ、全く今日は命の危機に直面した気がするよ。それに外を見たらもう赤いどころか暗くなってきてるし…これはメアもお腹が空くはずだ。
「よっし!じゃあご飯でも食べに行くか!」
「お!待ってましたなのだ!!はやく食べにいくのだー!」
「今日は肉食べに行くぞ!いっぱい食べろ!」
「ほんとかー!来てよかったのだ!!早くいくぞ!人間!」
「ん…メア…待って…」
「ははは、そんなに走るなよ。」
「ねぇ、それより今日はなにしに来たの?」
「え?なにしにって、服を買いに…あ。」
あれ?今日コスプレしただけじゃね?普段から使えるものじゃないよなコスプレなんて。俺は普段着を買うつもりで来たはずなんだが…あれ?
「あるじ…メア…いっちゃう…」
「あ、あぁ、分かった。悪いフリコ、また来るわ!」
「えぇ、また来てちょうだい。待ってるわん。」
結局今日はただ俺の血を流すだけだった…まあ眼福というやつだな。俺は幸せだ。またコスプレをしよう。
世界観?そんなもの破り捨てろ!おばあちゃん家の障子と世界観は破るためにあるんだよ!
↓は読もうで書いている後書きの一部。大概はクロエさんと私こと作者が適当に雑談をしているだけでございます。
―――――――
はい、とーも。作者のクラゲんです。
「クロエだよー。」
世界観…そんなもの…投げ捨てるんだ!
「急にどうしたの…」
いえ、昔を思い出していました。おばあちゃん家の障子はよく壊したものです。
「へぇ、障子はあれだね。お兄ちゃんを連れてきた部屋にもあったね。」
あぁー、そういえばあの空間は和室って設定でしたね。
「うん。お兄ちゃんの住む日本に合わせたからね。」
今頃は日本でも様式の造りが多いですけどね。木造なんて減ったもんですよ。
「和風の感じは僕好きだけどなー。」
そうですね…畳の感触って畳でしか味わえませんからね。独特な踏み心地です。畳がない家なんてザラですよ。
「へぇー…いいのか悪いのか、これもグローバル化ってやつなのかな?」
グローバル化を異世界の神様が知ってるのはおかしいですけどね。
※グローバル化とは世界が一体化していき、文化が統合されたり、言語が一つになっていくこと。(wiki調べ)
「えへへ。勉強してるんだ。」
あぁ、この間秋葉原とか行ってましたもんね。
「えぇ!?なんで知ってるの!?」
そこはまあ…企業秘密です。メイドカフェとか行ってましたね。アニメイトとか、ゲームセンターとかも。
「やめて!僕の情報を淡々と語らないで!」
まあ良いと思いますよ。日本に異世界の神様が普通にいるっていうのは、中々夢のある話かと。
「そんなものなの?」
えぇ、そんなものです。では今回はここまでで。
また次回!!
「またねー!」
――――――
これぐらいの軽い雑談を並べるだけですが。また時々載せますね。
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