第30話俺が魔族と会ったならばっ!
さて…ティアとシエルにドラゴンは頼んだし…あとはこいつだけだな。それにしてもこの糸…どういうものなんだろうか。
魔力で出来てるように見えるが…魔法だよな?面白いな、糸魔法。そういえばそんな魔法がクロエの目次みたいなやつにあった気がする。
「ん…?あれは…人?」
糸をたどっていくと、空中に浮いている人型の物体がいた。
「なぁ、いいか?」
「ひゃう!き、急になんだ!?」
糸を操っているように見える女の子がいたので話しかけたら叫ばれたのだが…悪いお兄さんじゃないよ!
「に…人間か!おまえ!」
「お?まあそうだな。ホモサピエンスだ。」
人間は学名でホモサピエンスという。ちなみに男が男のことを好きなのをホモ、というけどそれとはまた別だよ!ここテストにでるからね!
「ホモサピ…?なにいってるかわからない!バーカバーカ!」
「ば、ばかって…久しぶりに言われたぞそんな直球な悪口は…それより、この糸はお前か?」
「なに!?おまえこの糸が見えるのか!?」
「うん、まあ。」
そんな意外そうな顔をされてもな。見えるものは見える。仕方がない。
「我の糸魔法の糸が見えるとはやるな!ふふ!人間!我の僕にしてやってもいいぞ!」
「はいはい、よしよし。」
「な!なんで頭を撫でるんだ!バカ!変態!」
「ははは、まあ落ち着けよ。」
ほら、落ち着くなら頭撫でられた方が落ち着きやすいかもしれないだろ?ティアだって頭を撫でたら喜ぶんだぞ!
「ぐぬぬ!我は魔族だぞ!魔族のなかでも特別なカストール家の一人娘のメア様だぞ!跪け!」
「おぉ、言われてみれば魔族感のあるお嬢さんじゃないか。」
コスプレかと思っていたがどうやらこの子は魔族の子らしい。確かに青白い肌や背中から生えているコウモリの羽のような翼や頭からちょびっと生えてる角とか、魔族みたいな感じだ。
「この世界には魔族がいるんだな。」
「何をいっているんだ?魔族なんてどこにでもいるんだぞ!」
「そうなのか?」
「ふふ!人間はものを知らないのだな!魔族で言うなら、スライムやゴブリンとかだって魔族の端くれなんだぞ!正確に言えばちょっと違うが…でもまあ我はその魔族のなかでも最高峰のカストール家の一人娘だけどな!」
なんだこの子、可愛いじゃないか。この胸を張ってドヤ顔してるところが逆にいいな…
「そうか、それはすごいな。じゃあメアちゃんは強いのか?」
「当たり前だぞ!我はカストール家の中でも一番の才能の持ち主なんだ!」
「そうか、それが糸魔法なのか?メアちゃん。」
「そうだぞ!ドラゴンを糸で操ることなんてパパか我にしか出来ないことなんだぞ!…メアちゃん?ちゃん付けするな!人間!」
今さらキレだすメアちゃん。なんだこの子、可愛すぎるだろぉ!めっちゃペラペラ喋ってくれるし…実はいい子だなメアちゃん。
「ふふん!話はここまでだぞ!お前が僕にならないなら無理やり糸魔法で操ってやる!」
「俺がメアちゃんの僕になったら犯罪になっちゃうからな…」
「そんな軽口が叩けるのもこれまでだ!くらえ!」
ビシッと体がなにかに締め付けられる感覚に襲われたがすぐに抵抗し、その感覚はすぐに消えた。
「な、なに!?に、人間!何をした!?我の糸魔法を簡単に解くなんて!」
「なるほど、これが糸魔法ね。面白いな。相手の自由を奪う…か。」
「そうだぞ!お前も抵抗せずに自由を奪われるんだ!」
いや抵抗しなきゃダメだろ。縛られるより縛る方が個人的には好きなんだよ。
「て、ゆーか。ドラゴン、止めてくれない?」
「ダメだ!我も魔族だからな!人間たちを脅かさないとだめなのだ!」
「そうか、でも俺もドラゴンをなんとかしないとだめなんだ。」
「だめだ!」
「俺もダメだ。」
「だめだめだめだめ!」
「ダメダメダメダメ!」
「だめだめだめだめだめだめだめ!!」
「ダメダメダメダメダメダメダメ!!…やめようか。」
「はぁはぁ…に、人間め…生意気だぞ…はぁ…はぁ…」
息切れしてるじゃないか。んー、でもドラゴン止めてもらわないと困るんだよな…仕方ない!なんとか捕まえてみよう!
「んー…ここ!!」
「…ぐっ!?」
武術の才のお陰で、気絶させるためにどの辺を刺激すればいいか分かるのでそこに手刀を入れる。よくアニメでみるあれ。あの首をトンってするやつ。あれをイメージしてくれ。
「よっし、うまく気絶したな。じゃあ戻るか。」
ちなみにこの方法、実はそう簡単に出来ることじゃないんだけどね。それに危険がすごい伴うのだ。
俺の場合は才のお陰で出来たが、みんなは面白半分でしたらいけないよ!警察が来ちゃうからね☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます