第8話俺が王子と戦ったならばっ!
案内されたのは、だだっ広い闘技場のようなところだった。普段は兵士たちが訓練するための施設らしい。ただの私事で使っていいのか?
「ここでいいだろう、ルールの確認をするぞ。」
「はい。お願いします。」
「といってもたいしたルールではない、相手の意識がなくなるまで戦うというものだ、いいな?」
余裕の笑みを浮かべている。明らかに負ける可能性を考えてないようだ。それにこのルールだと参ったって言っても戦いは終わらない。ボコボコにしてやるぜってオーラが丸見えだな。
「そうだ、なにか賭けをしませんか?」
「なに?…は!いいだろう。なにがほしいんだ?」
「はい、私は旅をしているんですが、お金があまりなく…良ければ旅の資金をと。」
お金は大事だからね!ほら!奴隷とかも買えたら買うつもりだしね!
「いいだろう。その代わりお前が負けたらこれからサラには近付かないことを誓え!」
「わかりました。それでやりましょう。」
「ふふ、そうだな早く始めよう。」
この笑顔気持ち悪いなー、憎悪が丸見えだぜ。
「いくぞ!」
グルノ王子は距離をつめてこようとするがそうはいかん、このための暗黒魔法だ。
「『イルタナ』!」
「な!なにをした!くそっ!」
今グルノは視界を失っているはすだ。それは暗黒魔法Lv1で使える魔法の一つを使ったからだ。
イルタナは相手の視界をなくす魔法のようだ。一回自分に使ってみたが1分くらい目が見えなくなった。これを試合で使っていいなら勝負にならないけどな。
「すいませんね王子、強さに年齢なんてあんまり関係ないんですよ。これでとどめです。」
拳を握りしめ狼狽えてるグルノ王子のみぞおちに拳をたたきこむ。
「うぇっ…!」
グルノはそのまま固い地面に倒れた。意識は失っているようだ。一瞬で方がついたな。いやこの魔法ほんとに強くない?負けるきがしないんだけど…
「これ使えばなんにでも勝てるだろ。いや逆に使われたりもするのか。」
「あ、あの、駿河様。」
あ、サラさん、見てらしたのね。
「その魔法…なんですか?」
まるでUMAでもを見たような顔をしている。なんだ?そんな轟いた顔をして。いや違う驚いた顔して。
「暗黒魔法?だけど…」
「あんこく魔法ですか?」
「うん。」
「闇魔法ではなく?」
「えっと…多分。」
あれ、もしかしてこれ普通の魔法じゃないの?目次のやつに普通に載ってたからかっこいいと思ってゲットしたんだけど…
「暗黒魔法…昔書庫で見たかもしれません!でも、大昔に無くなった魔法だった気がするのですが……どうして駿河様がそんな魔法を?」
「えーえっとね…や、山奥で…」
やばい、そんなすごい魔法だなんて考えてもなかった…絶対バレてる!
「そうですか…教えてくれないんですね…」
バレてる!というかそんな悲しそうな顔しないでくれよ!心苦しいから!
「ま、またいつか話すよ。」
「ほんとですか?」
別に信じれないわけじゃないんだけど、言っていいものかわからないんだよな。
「とりあえず…そこのお兄さん、運ぼっか。」
「あ!忘れてました!」
意外とドライだよな、サラ。目覚めそう。
「じゃあー、そろそろ出ていこうかな。」
「そうですか。駿河様も暇じゃありませんものね。」
悲しそうな顔をする。いや別に暇じゃない訳でもないんだけど、別に長居する意味もないからな。
「また来るよ、お兄さんからお金もかなりもらったしね。まだこの街にはいるつもりだから。」
「そうですよね…また会いにきてください!」
「おう。」
最後まで寂しそうな顔を浮かべている。本当にいい子なんだな。たまたまだったけど助けて良かった。また会いに来よう。
「さてー…これからどうするかな~。グルノ王子からもらったおかね…けっこうな量だよな。」
確かクロエと話している中にそんなお金の単位の話があったな。
『そういえばお金の単位ってどうなんだ?クロエ』
『えっとねー、例えば君での世界の10円はこっちの単位で1スールっていうんだ。10円=1スール、100円=10スール、1000円=100スールって感じだね。』
『なるほどな、ちなみに紙幣なのか?それともコインみたいな感じなのか?』
『コインだね、屑鉄貨が1スール、鉄貨が10スール、銅貨が100スール、銀貨が1000スール、金貨は1万スール、白銀貨で100万スールだよ。最後だけ二桁増えるね。』
『分かった。ありがとうな。』
『うん!』
……この、袋に詰められてんのってほぼ金貨と白銀貨だよな……え、こんなもらっちゃったの?おれ。いやこれもしかして奴隷とか買えちゃう?
いいの?俺、買っちゃうよ?俺が奴隷を買ったらR18展開待ったなしだよ?
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王子なんて難関じゃなかった(白目)
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