春色の景色

黒猫

第1話

朝 、目が覚めて 俺はいつもと同じ時刻、同じ朝ご飯を食べて同じ様に家を出た。

大学へ行って、いつもと同じ席に着く……。

いつもと同じ所で弁当を食べて、いつも良く見かける猫を撫でるそれが自分の……自分にとっての普通。

俺は小さい頃から一人が好きだった。だから静かな場所で静かに一人でいる事が自分にとって落ち着ける事だった

俺はただ静かな場所が好きなだけ、一人の場所が好きなだけ……

だから別に寂しくも無い、悲しくも苦しくも無いこれが当たり前だった。

俺は大学を終え、いつも通る道を歩いていた。

そんな時余り人が通らない細道を通って歩いていた時

俺の目の前をまるで踊っている様にヒラヒラと舞う桜の花びらが目に入った。横を見ると大きな桜の木があった。

(こんな所に桜の木……あったんだ…。とても綺麗……なんだか…凄く落ち着く……)

俺は桜の木を眺め眺めながらそう思った。自分が静かで、一人の場所以外の事で落ち着けるのは…初めての事だった。

桜の木を見つけて見とれていてどのくらい経っただろう…分からないぐらい見つめていても飽きなかった

(でも…そろそろ帰ろう……)

そう思って振り返ると、後には待ち構えてたかのように三人の男が笑いながら立っていた。

俺はびっくりしながらも睨みつけた。 この三人は同じ大学の奴で良くいじめられているからだ

「なぁ〜にやってんだ?こんな変哲も無い花なんか見つめてよ?」

「なんかいい事でもなんの?」

「まぁ、確かにいい事は俺達にもあったけどな?」

三人の男達はニヤニヤと笑いながら近ずいてくる……。俺は逃げようとしたけど、腕を取られ逃げ場無く桜の木の幹に押さえ付けられた。

(嫌ッ…嫌だ……怖い…誰か助けて……!)

という思いがたくさん、たくさん溢れ出て来た……

そんな事を思っている内に三人の手が俺の服の中の乳首やズボンの中のアソコやお尻を触って来た。俺は両手を塞がれている今、俺には何も出来ない。

ただただ…俺の体を触って来る手に感じる事しか出来なかった……

「ふっ…んんっ……あっ」

まるで女の様な声を泣きながら出していた。

その時体に衝撃が走り体がビクッとなり……足が、ガクンとなって地面に座り込んだ。

「ひん!やぁ……!」

ビクビクとしながら声を出した。一人の手が俺のチンコを擦っていた

「どうだ?気持ちいいだろ?なら、もっともっと気持ちよくさせてやるよ気持ち良くさせてやるよ」

そう言った男の手がさっきよりも早く俺のチンコを擦り出した

「ふぁっ……!?んやぁ…!んっ…あっ」

(もう駄目これ以上やられると頭がおかしくなりそう……)

そんな事を思っていると、三人の男が手を止めた

「なんだ?お前」

「何見てやがんだよ 文句あんのか?」

「邪魔すんじゃねーよ!」

などと声がする。

(誰か助けに来てくれたんだ……。良かった…)

誰か助けて来てくれた事に俺は安心してホッとした。

(でも……イきそうなところで止められるのはなんだかもどかしい………)

なんて思っている俺がいる……。

「あんたらそこで何してんの?」

知らない声が三人の男に向って聞く。見る限り俺の苦手なチャラい人の様に見える……

でも、苦手だろうが助けて欲しい……チャンスを逃したくない……

「たっ……」

俺の振り絞って出た声をチャラい男がちゃんと聞いてくれていたかのように見つめて来た。

俺はもう一度振り絞って声を出した。

「たっ……た…す……けて……」

チャラそうな男が少し間を開けて、その後少し頷いて「目、つぶってて」と言われて俺は言われたように目をつぶった…

なんだか耳から凄い音が聞こえ、音が聞こえなくなると「目、開けていいよ」と聞こえたから目を開けた。

そこには三人の男の姿が無かった……

チャラそうな男がしゃがみ込んで「大丈夫だった?嫌だったよね?」そんな優しい言葉に俺は泣きそうになった……

俺は助けて貰ったのに「ありがとう」すら言えなかった。

ただ泣きながら頷くだけ……

それを見て安心したかのように立ち上がってどこかに行こうとしていた。

俺はとっさにチャラそうな男の袖を掴んだ。男はびっくりしながらも振り返ってまたしゃがみ込んだ。

「……俺ん家来る?」

そう言われて嫌だなんて気持ちは無かった…ただ嬉しかった。俺は何も言わずにまた頷くだけだった……。

その男は優しく俺に手を差し伸べてくれて、それを掴んで立とうとしたけど足に力が入らなくて上手く立てない……。

そんな俺を見て、男は俺の体を軽々と持ち上げた。しかもお姫様抱っこ……

初めはびっくりしか無かった……けど、段々恥ずかしくなってきて男の服に自分の顔隠した……

(多分……今の俺の顔、耳まで赤いと思う……)

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