無空間



何も無い場所を漂って

無重力の無気力で

塵と戯れて


ここには何も無いと嘆いた

目を閉じたままの僕だった


優しい手が風のように触れて

瞼を反射的に開けてみたら


眩い星が一杯で

目一杯、声を上げ続けた君がいて


愛しいとはこういう事か




単純で単純で炭素よりもミクロに単純で啖呵を切ってしまう僕がいて

一緒に踊ってくれた君がいて

それだけで世界を歪曲させる事が造作なくて

家族単位のオーケストラは

何とも賑やか、にやけてしまって


なんだか笑い転げた





ここには何も無い

だが虚無ではない

無でもなく

なくしてしまった訳でも無く

まして失った訳でも無く


まだ何も始まってないだけ


僕らのビッグバンが

君たちとビッグバンドを

音無しのオーケストラが

世界に楽譜を刻み込んで

箱庭の毎日を叩き壊す、そんな素晴らしきハッピーバースデー



ここには

僕には何も無いが

言葉なら溢れてる


無空間=霧空間=夢空間=矛空間


突き立てて突き立てて


言葉を変えて

君の失望を君の四方八方の喜びに変えよう


不可能な事は多いが、諦めてしまっている事はもっと多い


箱庭の毎日をにを叩き壊す、そんな素晴らしきハッピーバースデーを

君と歌う





愛しいとはこういう事なんだ

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