第39夜 ゴミ捨て場
店舗の周囲にゴミが溢れている。
私は店舗には入らず、溢れたゴミを気にしている。
清掃車が入って行ったのだが、一向にゴミを回収する気配はない。
それどころか、生ごみや粗大ごみが溢れた建物わきで、鍋をつついている。
よくも、あんなところでメシが食えるものだと呆れながら見ている。
老婆と無精ひげの中年男性、小太りの若者の3人で残飯を鍋に放り込んでは、箸でつついている。
汚い作業着、嫌悪感しか抱けない。
彼らは結局、ゴミを回収しないままに清掃車に乗って走り去ってしまう。
回収しないのかと思っていると、私の後ろに錆びたフォークリフトのような乗り物が停まっている。
シートは雨で濡れ、黄色い車体は錆び、まともに動くとは思えない。
鍵が刺さったまま。
コレを使えばゴミを奥に押すことはできそうだ。
鍵を回すと、かろうじてエンジンがかかる。
ひどく揺れる車体、今にも止まりそうな車体に乗るべきか否か私は迷う。
乗れるからといって、私がやるべきことなのだろうか?
それとも乗れる私がやるべきなのだろうか?
店の人間は何をやっているのだろう、ゴミ回収をしない清掃員は?
なぜ私が?なぜ私が?なぜ私が?
早く乗れよ…ボロボロのフォークリフトガタガタと揺れている。
どしゃぶりの雨の中、暗い駐車場で私はリフトに乗る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます