第27夜 小島
扉を開けると砂浜だった。
小さな小島は綺麗な海に浮かんでいる。
扉以外に何もない5mほどの小さな小島、遠くに別の島が見える。
私は砂浜から思いっきりジャンプする、200mは軽々と飛び越えられるほどに身体が軽く、一っ跳びで隣の小島に飛び移れる。
そこにはトロピカルドリンクが置かれている。
私は次の島へ…また次の島へと飛び移る。
海底には遺跡のような廃墟が沈み、青く澄んだ海の上からは魚が泳ぐ姿が見える。
日本庭園のような島、古代ローマを思わせるような島、ジャングルのように草木が生い茂る島、そこは世界を飛び回っているような変化にとんだ光景。
とても楽しい私は飛び回りすぎたせいか喉が渇いていた。
さっきのトロピカルドリンクがあった島に戻ろうと周囲を見回すが、どうやって戻っていいか解らない。
探し回るのだが、どうしてもその島に戻れない。
そもそも扉がある最初の島へはどうやって戻るのか?
喉が渇く、周りには海水しかない。
砂浜に座り込んで海を眺める。
波打ちぎわから、1歩進んだ先はとても深い海底、遺跡がの隙間を魚が泳ぐ。
足元にいたカニを捕まえて、海底に沈める、ゆっくりと揺れる様に沈んでいく…。
とても不安になった。
帰れるのか?
戻れるのか?
私は解っていたはずだった、逃げ込んだ先なのだ、戻れるわけはない。
次の行先も解らないままに進むしかないことを…。
ほんの一時、忘れていただけ。
忘れたかっただけ…。
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