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  • 先代の博士が最期の最後に「ミミちゃん」と呼びかけたところで泣きそうになりました。
    読み返してみると、先代の博士は「我々」ではなく「私」が島の長であると位置づけており、助手もまたそれを当然と受け止めていたように見えます。
    助手はあくまでも助手であり、長たる博士が不在の際にその職責を代行するに過ぎないというのが二人の間にあった暗黙の了解だったのでしょう。
    つまり博士は、自らが守り治める民であるフレンズたちだけでなく、パートナーと呼ぶべき助手に対してさえも一線を敷く立場を貫いていたわけです。
    そしてそれは決して驕りや虚勢や私利私欲に依るものではなく、自らの持てる能力を正確に把握し、すべての責任を背負う覚悟の上に成り立っていた「決意」だったのだろうと思うのです。
    今生の終わりを迎えるにあたって、最初は誰にも看取られることもなく一人で逝くつもりであったのは、(このまま自分が消えれば、自動的に助手が「博士」として跡を継いでくれる…彼女なら何の問題も無いのです…)という計算だったのでしょう。
    しかしヒグマさんの制止をも振り切って部屋に飛び込んできた「最愛の友」を見たとき、所詮はその計算というのが自分自身をも欺く欺瞞に過ぎなかったことに気づいたのでしょう。
    助手は決して自らを「博士」と名乗る事は無いだろう…そして、もし私が再びフレンズとして彼女の前に立つことがあったのなら、それがどれほど無力で頼りない存在であったとしても、彼女は私を「博士」として迎え入れるだろう…ということに。
    そして同時に、これまで自らに課してきた「他のフレンズとは一線を置く」という戒めもまた、意味の無い空しいものだと気づいたのでしょう。
    それらの全ての思いが、「ミミちゃん」というたった一言の呼びかけに込められていたと思えるのです。