RPGってレベルさえ上げればクリアできるんじゃなかったっけ?

単純

第1話「RPG」

-授業中-

「ねぇ....ねぇ...春人君」

「ん?どうした?」

「今日の夜って暇ですか?」」

「まぁ、暇だけど。」

「私と一緒にゲームやりません?」

「急な誘いだなぁ....別にいいけど何やるんだ?」

「一週間前に発売されたミディーレアっていうアクションRPGをご存知ですか?」

「もちろん、知ってるよ。」

「それをやりませんか?」

「いいよ〜」

「んじゃ決定ですね!やる時連絡します!」

「おう!」




「一ヶ月前に発売されたミディーレアっていうアクションRPGはどうでしょうか?」

「ああ、あれか。別にいいよ。」

「じゃあ、決定ですね!お食事などを済ませたら連絡しますね。」

「へいへい、んじゃまた後で」

ーこの時の俺たちはゲームの本当の恐ろしさを理解していなかったー

俺の名前は小早川春人、16歳の高校二年生だ。

ちなみにさっき話していた女の子は同じ高校に通う同級生の西澤沙也加。成績優秀、性格、容姿、全てが完璧な女の子。

一ヶ月に7回くらいは男子に告白されているらしい。

ちなみにゲームが大好きでこの事はクラスメイトには秘密らしい。なぜか俺にだけ教えてくれた。





最初会った時はこんな可愛い子がゲームなんてするんだなと思った。それはさておき本編に戻ろうか。


-大学から帰宅ー

「ただいま〜」

「おかえり〜お兄ちゃん!」

「あれ?お前今日部活は?」

「めんどくさいから休んだ。」

「お、お前.....次からサボんないで行けよ〜」

「ラジャー!」

俺は二階にある自分の部屋へ向かった。

ーブーブーー

すると誰かからビデオ通話がかかってきた。

「春人君〜もうゲームできる?」

「あ、ちょっと待って。先にご飯とシャワー済ませて来るわ。」

「うん、分かったよ!」

「通話はミュート状態で放置しておくわ。んじゃ行ってくる」

「行ってらっしゃい〜」

ー30分後-

「ふぅ〜。さっぱりした〜」

「おかえり〜!」

「んじゃゲームやりますか!」

「うん!」

俺と沙也加はアクションRPGゲーム“ミディーレアを起動した。


「いや〜久しぶりにゲームやるな〜!」

「春人君は部活が忙しくてあんまりゲームやれてなかったもんね」

「そうなんだよね〜。だから今日と明日は全力で楽しむ!」

「そうだね!楽しみましょう!」

「沙也加〜招待送ってもらってもいい??」

「あ、了解です!えーっと......はい、送りました」

「サンキュー」

-ピローンー

サアヤさんからパーティーに招待されています参加しますか。

-はい-

「お、キタキタ」

サアヤさんのパーティーに参加しました。

「来ましたね!」

俺は沙也加のレベルを見た。

「いや、レベル高すぎるだろ(笑)俺なんかまだ

そこにはサアヤLv79と書かれていたキャラがいた。

「発売日からずっとレベル上げしていました(笑)」

「こんなに上がるもんなんだな。」

「意外と簡単に上がりますよ!」

「そうなのか.....じゃあレベル上げ手伝ってもらってもいい?」

「喜んで手伝わさせていただきます!」

ちなみに俺のLvは13だ。確かこのゲームの最大レベルは150Lvだった気がする。

その半分まで到達してる沙也加はかなりすごい。

「どのクエストがレベル上げの効率がいいんだ?」

「そのレベルでしたらこのクエストはどうでしょうか!」

-ドラゴン10体の討伐 敵L v20-

「ドラゴン討伐かぁ...しかも敵とLv7の差があるのかぁ〜うーん...」

「大丈夫ですよ!私がついていますから!」

「そうだな!何も恐れることはないな!それじゃ行くか!」

「はい!」

「その前に..沙也加...俺たち同級生なんだから敬語とか使わなくてもいいんだよ?」

「なんか敬語の方が話していて落ち着くんですよね〜」

「あ、いや、無理にとは言わないから!できたらでいいよ!」

「はい、なるべく敬語を使わないで話すようにします!」

「無理しなくてもいいからな!」

「分かったです!」

すると、ゲーム内でメールが届いた。

「うん、なんかメール届いたな」

「メール?ですか?内容はなんて書かれているんですか?」

「えーっと...

-お前達は30分後にこのゲームの世界に迷い込む事になるだろう-

「お前たちは30分後に(ry」

「イタズラメールでしょうか?」

「多分そうだろうな。最近こういう奴が増えてるからなぁ。」

「増えてますね。私のフレンドさんにもこういうメールが届いたって言ってる人いましたし。まぁ、でももし”このゲーム“の世界に入れたらそれはそれで楽しいんじゃないですか(笑)」

「まぁ、少しは楽しめるだろうな(笑)俺は行きたくないけどな!」

「なんでですか?(笑)」

「すぐ”死ぬ“から(笑)」

「でも、アイテムを使えばすぐ復活できるじゃないですか〜!」

「た、確かに。」

俺たちは、さっき受注したクエストを25分かけて終わらせた。

「いや〜おかげさまで6レベルくらい上がったわ〜サンキュー沙也加!」

「いえいえ、レベルが上がって良かったですね!」

「んじゃ次行ってもいいか?」

「もちろんいいですよ!!」

「その前に飲み物取ってくるわ」

「分かりました。私も飲み物を取ってきます。」

「おっけ!」

いや〜久しぶりにゲームすると楽しいなぁ〜!

やっぱりゲームっていいもんだ!

俺はルンルン気分で冷蔵庫に飲み物を取りに行った。

「お茶あるじゃん。貰おう。」

春人はお茶を手に取り自分の部屋に戻っていった。

-ガチャー

「よぉーし」

次の瞬間PCのディスプレイから急に青白い光が差し込んできてそれと同時に眠気が襲ってきた。

俺は吸い込まれる感覚がした。

「な.....なんだ...これ.....」

光が弱まった。

だがそこには春人の姿はなく、pcもシャットダウンされていた。


俺は急に意識が戻り、あたりを見回した。

「ん......ここは?」

俺はこの景色に見覚えがあった。

それはさっきまでプレイしていた”ミディーレア“と同じ景色だったからだ。

建物から何やらまで全てが一緒だった。

「まさかここは...ゲームの世界....なのか?」

すると後ろから誰かに話しかけられた。

「あの〜すいません!」

「ん??何でしょうか?」

「って、春人君じゃないですか!!!!!」

「え...もしかして沙也加?」

「はい、沙也加です!」

そこにはこのゲームを一緒に遊んでいた沙也加の姿があった。

「ここにいるということは.....沙也加、ここに来る前に眠気に襲われなかったか?」

「はい、眠気に襲われて気を失いました。」

俺の体験したことと全く同じだった。

「ま、全く一緒だ....沙也加..そして一つわかったことがある。」

「なんでしょうか?」」

「俺たちがいるこの世界は”メディーレア“つまりゲームの中だ。」

「えっ!てことはあの春人さんに届いたメールは本当だったってことでしょうか?」

「そ、そうなるな。」

「わ、私たちはこれからどうなってしまうのでしょうか.....」

「分からない.....」

するとまた誰かからメールが届いた。

ーピローンー

俺は自分の目の前に出ているHUDからメニューを選択しメールボックスを開いた。


-メディーレアの世界にようこそ-

全プレイヤーに告げる、このゲームは皆が知っているRPGとは違う。

普通のRPGというのはレベルを上げまくれば強敵を楽に倒す事ができる。しかし、このゲームではレベルを上げても強敵を倒すことはできない。そこで攻略に欠かせないのが判断力、身体能力、技術力、言わばPS(プレイヤースキル)だ。

これを駆使して戦わないと死ぬことになるだろう。

そして、お前たちが元の世界に戻れる方法はない。なぜなら元の世界では君たちの存在が消えてしまったのだから。

ここはお前たちのもう一つの生きていく世界だ。


では幸運を祈る。


ー管理人ー より


「なんだよこのイタズラメールww」

「ゲームで死ぬとかありえないだろww何言ってんだこいつww」

「元の世界ってなんだよww厨二病乙w」

と他のプレイヤーは言っていた。

だが俺はその言葉を信じ冷静に分析していた。


「レベルは関係ないのか.....これはかなり厳しくなりそうだな....しかも下手したら死ぬ....か.」

確かにこのゲームは普通のRPGとは違ってかなり難易度が高い。レベルが関係ないRPGなんて聞いた事があるだろうか。少なくとも俺はない。

だが逆に考えれば俺みたいに低レベルの奴でも攻略できる見込みがあるという事だ。

それなら負ける気がしない。


























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