死にたい病

加古田

死にたい一日



目覚めが悪い朝だった

とても死にたい気分だ


支度がいつもより時間がかかってしまった

出勤の時間がギリギリになってしまう

とても死にたい気分だ


いつもより1本遅れの満員電車に乗り込んだ

息が苦しい

とても死にたい気分だ


職場についた早々上司から暴言を吐かれる

「お前は使えない奴だな」

それは、昨日貴方のミスした書類です

とても死にたい気分だ


昼休み、高校の同級生から彼氏の惚気メッセージ

私が聞きたいのはそんな言葉じゃなかった

その話、今は聞きたくない

とても死にたい気分だ


定時の時間が2時間過ぎた

自分の仕事も終わったからそろそろ帰れる

「終わったなら俺の仕事もよろしくね」

拒否権なんかない、笑顔で受け入れるしかない

とても死にたい気分だ


やっと帰れる、もう23時

外は暗いし少し肌寒い

一人で帰る道のりがとても苦しい

どうして頑張っているんだろう

どうして生きているんだろう

とても死にたい気分だ


帰る途中、コンビニに寄る

割引になったショートケーキと缶ビール、買って向かいの公園のブランコに腰を落とす

「誕生日おめでとう。私」

23時59分、ギリギリの誕生日祝い


誰がなんと言おうと、私の特別な一日だった


今日が終わる


ショートケーキが少ししょっぱい


明日は死にたい気分なんて無くなると信じて


家に帰ろう


おやすみなさい






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