第21話 ジャン=クラウド編④ 貧弱なおっぱい!?
午後からのトレーニングは、マシンを使ってのトレーニングということで、ジャンさんに連れられて二人でジムへと移動する。ホテルのジムには、最新マシンがたくさん取り揃えられてあり、ジャンさんがマシンの取り扱いを丁寧に説明しながらトレーニングルームを案内してくれる。
「色々なマシンがあるんですね」
「そうだね、鍛える筋肉によってマシンを使い分けするんだよ。う〜ん、カレンは……」
いきなり全身を舐めるように見るジャンさんに、戸惑ってしまう。
「あのっ……何か?」
「いやっ、カレンに一番必要な筋肉はどこかなと思って。このマシンがいいかな」
ジャンさんに指定されたマシンは、チェストプレスというものらしい。ジャンさんが、マシンの使い方を指導してくれる。
「さぁ、ここへ座って……」
マシンを押し出す時に息を吐きながら一気に前へ押し出すことが重要で、戻すときは息を吸いながらゆっくりと戻すようにと教えられる。
「これを、12回×3セットするんだよ」
初心者はつい全身で押そうとして腰が浮き、背中が丸まってしまいがちになるので、特に意識をして姿勢が崩れないようにマシンを使うようにとアドバイスをもらう。
指導された通りに、"フゥー" と息を吐きながらバーを一気に押し出す。
「うまくできてるよ、その調子!!」
最初の1セットが終わると少しの休憩を入れて、2セット目を再開する。あれっ。疲れで力が入らなくなって来た。
「カレン、これはバストアップのトレーニングだよ。さぁ、頭の中でイメージするんだ!! ……君の貧弱なバストが大きくなるのを! 」
「えっ……これはバストアップのトレーニングなんですか? それじゃ、気合を入れて頑張ります!!」
バストアップと聞いて、
ハハハ……
「やっぱりカレンは、面白いや」
2時間あまりのトレーニングを無事に終え、ジャンさんから今後のトレーニング方針を説明される。今日と同じトレーニングを明日も行い、
「トレーニングがお休みの日は、いつもの所に行くから、カレンも一緒に行こう」
「あのっ……。いつもの所って……?」
「ボディビルダーは、筋肉を綺麗に見せるために脱毛してるんだよ。それに、日焼けサロンにも定期的に通ってるよ」
「えーーっ? 脱毛エステですか……!!」
ボディビルダーの生活って、知らない世界の事とはいえ、普段からすごい努力をしてるんだな……。男性ホルモンの影響で女性よりもこまめにエステに通う必要があるなんて、知らなかった。
ローマは1日にしてならず! じゃないけど……ボディビルダーも1日にしてならずだな!!
ジャンさんを取材して、ストイックな生活を実践していることに感心と尊敬の念を覚えてきた。
From:カレン
【編集長、ジャンさんはすごい努力家です。毎日のトレーニングや食事、それから脱毛エステ・日焼けサロンと生活の全てをボディビルに捧げてます❗️】
From:康代
【カレン、ロサンゼルスのベニスビーチにあるマッスルビーチでジャンの写真を撮ってきて。次の「世界の男図鑑」特集の目玉写真にするわ。写真は、夕暮れ時の黄金色の夕陽をバックにしてね。その構図で頼むわよ】
From:カレン
【編集長、あそこは観光客が多いので、ジャンさんがOKしてくれるか、わかりません……一応、聞いてみますが💦】
From:康代
【それと……撮影の時は、できるだけ裸に近い方がいいわ! セクシーさを強調させるのよ】
From:カレン
【編集長、そ……それも、私が頼むんですか?】
From:康代
【当たり前でしょ。『Fabulous ・ファビュラス』 で提供する記事には、他では絶対に見られない彼らの内面を映し出した写真が必要なんだから】
From:カレン
【ううっ……。一応、頼んでみます】
私は、編集長から宿題をもらってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます