幽閉

鍵をかけて 固く扉を閉ざす

膝を抱えて 泣いて 笑って

「あたしなんて居なくてもいいのね。」


「愛し方を忘れてしまった。」

砕けてしまったら戻らない

散ってしまった心と共に

置き去りにしてしまった心と共に

あたしも一緒に消えてしまえたらよかったのに


黒い感情に 飲み込まれたの

耳を塞いで 笑って 嗤って

「あたしなんて要らないでしょう?」


「正しい求め方を知らないの。」

ぽっかり空いた穴は塞がらない

突然失った心と共に

消え去ってしまった心と共に

あなたに対する気持ちも消えてしまえたらいいのに


「あなたもあたしも何もわからなくて怖いの。」


楽になりたかったんだ、鎖を解きたかったんだ

恐怖に震えたあたしを 何かに怯えてるあたしを


どうか、どうか、楽にしてよ


もやもやした心も 苛立った心も

わけもわからずあたしを傷つけて

傷つけて 傷ついて 自己防衛して


胸の苦しさも 痛みも全て

夜に独りで泣いて 嗤って 泣いて

「何もわからないの、わからないの。」


見失ってしまったあなた

もう何処にいるかもわからなくて


きっとあたしは隣に居たかった

きっとあたしは傍で笑い合いたかった

きっとあたしは愛したかった

きっとあたしは愛されたかった


重い扉を抉じ開けて 手を差し伸べて

あたしにまだ救いがあるならば

あるならば きっと、

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