設定広場

野良・犬

設定1作目…「その空想にカタチを」(仮)

『きっかけ』


 小説を書くのは孤独etc…というツイートに対して…。

「孤独ではない、書いている時、自分のそばにはいつも登場人物たちがいてくれるんだ。」

 これ、小説家が自作小説を武器にして戦う作品で出てきそうなセリフだよねって、自分が返した事。


『ストーリー設定』


 大学生の兄が【何か】に襲われて昏睡となり、中学2年の少年がその原因を探す中で【力】を手に入れ、その真相に迫っていく物語。

 時代は現代、昔でもなく未来でもないぐらい。



 ストーリーは、学校帰りに少年が兄の昏睡状態の原因を探している所から始まる。

 夕暮れ時、太陽が空を赤く染め上げる時間。

 車が安全のためにライトをつけ始めた頃、色々な影が伸びては縮まる。

 少年はそんな中、人気の少ないパチンコ店の裏のバイパスの下にできた空き地に足を踏み入れていた。

 住宅街であるために、大きな通りから少し中へ入れば、夕暮れ時とはいえ暗闇が少年の視界を妨げる。

 しかもそこはバイパスの下、街灯の明かりも届きにくく、その灯りだけでは心もとない。

 その心もとなさが、より一層暗闇への恐怖心を煽る。

 それでも目的を達成しようとする少年の足は止まる事は無かった。


 しかし、その集中が少年を危険な状況へと突き落とす。


 時間は刻一刻と進み、夜が空を支配する頃、遠くで走る車の音しか聞こえないこの場所で、目に一瞬だけ映る不自然な影。

 人ではない、車でもない、建物でもない、でも妙に無機質なモノとも思えない何か。

 色々な影が重なっただけだ…そう思いつつも少年は後ろを振り返る。


 そこには何もない…そのはずだった…だったのに…。


 そこには巨大な影がたたずみ、赤い目を光らせて、ジッと少年を見下ろすのだった。



『舞台設定』


【千代女学区】

 話の舞台となる町のある学区。

 雪が降りそうで降らない土地で、少し北に移動すれば雪が積もっているが、基本的に雪が降る事も無いので、もし降ったら、子供ははしゃぎ倒し、大人は軽く振っただけで絶望する。

 そんな具合に雪が降らない地域。

 山の先を包むような形でできた町、学区で、ちょうどその真ん中に線を引くようにバイパスが通り、学区をなぞる様に流れる大きな川は2本とも幅が300メートルを超え、学区はちょうどその2本が合流する地点でもある。


 小学校と中学校が1校ずつあり、中学校は3学年で生徒が軽く1000を超えるマンモス校。





【千代女町】

 基本的に住宅街、バイパスが街の端をなぞる様に通り、川幅が350メートルもある大きな川と山に挟まれた場所。

 ド田舎という訳ではないが、決して都会ではなく、誇張して田舎と呼べる町。

 自転車で20分も進めば電車もあるも新幹線もある。

 その周辺にはデパートも繁華街も遊ぶところも多くあり、友達と遊ぼうという話になればだいたいがその方面へ行く。

 住人たちからはその方面を街(そのまんま)と言われて、その考え方がより一層千代女町の田舎具合を増長する結果となっている。

 何にせよ、千代女町…というか千代女学区が田舎である事に変わりがない。



【千代女駄菓子店】

 とある【想造者】達が集まる駄菓子屋で、その想造者達からは【中二会】と呼ばれている。

 8畳ほどの店内には、一般的な駄菓子や玩具が並び、お好み焼き等を焼くための鉄板もあって、別段怪しい所のない普通の駄菓子屋。

 店の奥に店と同じ8畳の居間があり、店長ないし知り合いは休憩したりする。

 外には昔ながらのアーケードゲームがあったり、屋根付きで木製のテーブルと椅子のある食事スペースがあったりと、お菓子目的でない子供も多く集う。

 実際、何か特別な基地であったりするわけではなく、店長が元想造者でその存在に理解があるからこそ同類が集まってしまっている。


 とある人間の注文から、パフェの類を作る様になり、周りにそういうモノを出す店もない事からそういう点も子供達からの人気の1つだ。

 焼きそば250円、お好み焼き250円、パフェ400円。



『用語』


【想造者(そうぞうしゃ)】

 非現実的な存在である【創像物】を作り出せる者達の総称。

 想造者の間では、「クリエイター」や「イマジネイター」という呼び方をされている。


 想造者になるために必要なモノは、【創作の筆】を持っているかどうかだけ。

 それ以外に特別な資格が必要な訳ではない。

 しかし、想造者になった時点で強制的に【物語】へ参加をさせられる。


 善人であれ、悪人であれ、誰でも想造者になる事ができるため、創像物を用いて犯罪行為をしようとする者もいるし、そういう相手と積極的に物語を始める者いる。


 想造者としての在り方は人それぞれ。


 戦ってくれるキャラクターを作り出す者、相手を倒すための武器を作り出す者、超人的な能力を自分に付与して戦う者、戦い方だけでも人それぞれ千差万別である。





【創像物(そうぞうぶつ)】

 想造者によって作り出されたモノ。

 それが何かしらの能力なのか、それとも何かの人物、存在なのかは限定されておらず、それら全ての総称。

 想造者の間では、「オリジナリティ」または「オリジナル」という呼び方をされている。


 想造者が作り出したもの以外にも、強いて言うなら物語側は作り出したモンスターのような異形のモノも存在し、想造者の間ではそれを「ノラ」と呼んでいる。

 ノラに関しては正式な呼び方は存在していない。


 物語で使用するための力、能力だが、物語中じゃなくても使用する事は可能。

 物語中だろうが、そうでなかろうが、出現させられる創像物に差異はない。

 そのため、お互いに戦闘準備に入らなくても一方的に攻撃する事も可能である。


 現実世界に創像物を出現させるためには、想造者の体のエネルギー、脳や筋肉のエネルギー源である糖質が必要不可欠。

 より強力でしっかりとした創像物を作り上げるためには、その創像物の強いイメージとエネルギーが必要で、創像物が強力になればなるだけ、作り込まれたイメージ、つまり設定と、エネルギーの必要量がそれに比例して多くなる。


 上記以外に創像物の出現条件として、初めて創像物を作った創作の筆が手元にある事、想造者である事が必要。


 創像物は創像物でしか破壊する事ができず、創作の筆も創像物でしか破壊する事ができない。

 創像物は、自分のモノであれ、相手のモノであれ、想造者以外の一般人、物語の参加者以外が視認する事は出来ず、創像物の攻撃などの直接的な干渉を受けない。

 しかし、創像物が投げた石や創像物同士の戦闘によって発生した風など、間接的に干渉する事ができる。

 それらはノラも同様。


 想造者次第でいくらでも強力な力を行使できるが、自身の持つエネルギー量を無視した力の使用は脳への負荷が大きくなり、最悪の場合は死に至る。





【創作の筆(そうさくのふで)】

 想造者が創像物を作り出す上で必要不可欠な道具。

 想造者の間では、「ピース」という呼び方をされている。

 創作の筆の形は、決まって小さな棒状の石のような何かで、色のついた半透明なモノがほとんど。


 初めて使った創作の筆は、物語への参加権であり、想造者である事の証明、そして想造者にとってのHP(ヒットポイント)のような役割も持つ。

 初めて使った創作の筆は、相手の創像物を倒す、またはノラを倒す事でのみ得られるエネルギーをその創作の筆が吸収する事で機能し続ける。

 【一定期間戦闘を行わずに】創作の筆のエネルギーが枯渇した時、またはエネルギーが枯渇した状態で戦闘を一定期間行わなかった場合、自身が所持する創作の筆の全てが機能を停止し、同時に物語への参加権を失って想造者ではなくなってしまう。

 初めて使った創作の筆のエネルギーは、時間経過、または敵の創像物による創作の筆への攻撃で消えていく。

 攻撃の場合、初めて使った創作の筆だけが対象なのではなく、その想造者が持つ創作の筆全てがエネルギーを減らす対象。

 時間によるエネルギーの現象速度は、1日に1%程度なのですぐに減ってしまうという事は無い。


 基本的に【創作の筆1つにつき創像物は1つだけ】。

 創像物を作る場合、作りたいモノを文章に起こし、創作の筆でその文章をなぞる必要があり、そうする事でなぞられた部分が蛍光ペンでマーキングされたように塗られ、創像物を作り出す事ができるようになる。

 後は、創像物を作り出し実体化させ続けるエネルギーと、形作るだけのイメージがあれば思い思いの存在、現象を作り出す事ができる。

 これが基本の流れ。


 それ以外に、創像物を出現させる条件として、初めて使用した創作の筆を所持、手元にある事が必要。


 創作の筆の入手方法は、物語において一定数の相手の創像物を破壊する事で入手する事ができる。

 RPGで言う所のドロップ品のようなモノ。


 物語の退場条件である創作の筆の破壊は、創像物による攻撃でしか行えない。





【物語(ものがたり)】

 想造者達が、創像物を用いて戦うゲームの名称。

 想造者の間では「ストーリー」や「夢物語」、「ファンタジーストーリー(ファンスト)」、「デスゲーム」など、これに関しての呼称は全く統一されていない。


 誰が始めて、どうすれば終わるのか、どれだけの範囲で行われているモノなのか、それら一切の情報が不明。

 想造者の中には、戦い抜ければ何でも願いが叶うとか、リスク無しで創像物を作り出せるようになるとか、憶測や噂が飛び交っているが、どれも確固たる証拠はない。

 基本的に想造者以外の一般人は、物語の存在を知らず、当然想造者や創像物の存在を知らずに生活をしている。


 物語は、基本的に2つのゲームによって成り立つ。

 1つはノラとの戦闘。

 もう1つは想造者同士の戦闘。


 前者は何か決まった事が物語側から用意されている訳ではなく、ただその辺にいるノラを倒すだけのモノ。

 他の想造者との戦闘を嫌う想造者はこれをメインにエネルギーを確保する。


 後者はいつ始まるかはわからないモノ。

 想造者同士または想造者達が、お互いに戦闘の意志を示した時に【縁】が生まれ、それが物語の始まりの合図となる。

 これは敵意を持った想造者が作った創像物に対して戦闘意志を見せても同じ。

 一度始まった物語が終わる条件は、敵対者の死、意識喪失、降伏、戦闘をしている事を証明する縁を切る事、敵対者と一定以上(だいたい1kmぐらい)距離を取る事、創作の筆のエネルギー切れ、初めて使った創作の筆の破損による物語への参加権喪失など。

 戦う者同士でどういう勝敗にするかを決めれば、それで決着がつけば、それでも物語は終わる。


 物語自体をやめる方法は、【自身が初めて使用した創作の筆】の一定時間以上の喪失、または破損、破壊する事。

 それ以外では、物語への不参加による創作の筆の機能停止がある。

 その結果、物語に関しての記憶が消える…等はないが、創作の筆をどれだけ用意しても二度と創像物を作り出す事は出来なってしまう。





【縁(えん)】

 物語において、想造者間で戦闘が行われる際にお互いが敵同士であると証明するモノであり、自分達が戦闘中である事を証明するモノ。

 お互いの右手首に締め付けられているかのような痣ができ、そこから繋がる赤黒い糸のようなモノで、お互いが半径50メートル圏内にいればくっきりと見えるが、それ以上の距離を離れると痣だけが残る。


 創像物で切る事が可能、それはその物語の終了を意味するが、あくまで切る事が可能というだけで、それを可能にする場合かなり強力な創像物が必要になる。

 切るという表現をしているが、どちらかと言えば破壊するという表現の方が近い。





【中二会】

 千代女駄菓子店を拠点にしている想造者集団の名前。

 リーダー格の想造者が中二病気味で周りからそう呼ばれるようになった。

 その想造者が中学2年の時に人を集めてチームを結成したという点もそう呼ばれる理由の1つではあるが、現在では前者の影響でそう呼ばれている。

 会は元々、創像物を使って楽しく遊ぼう、という目的で結成され、現在でもそういう姿勢は変わらないが、凶暴なノラが出現して以来、物語関係の問題事を解決する物語専門の自警団のような色を持つようになった。

 人数は主人公を入れても10人に届かない程。

 しかもそのほとんどが今では大学進学などで地元を離れているので、集まる人間はさらに少なくなる。

 結果、現在では集まるのは3~4人程になった。





【赤目のビッグフット】

 一時期、想造者達を積極的に襲っていたノラ。

 5mを越える巨体に、全身を覆う赤と黒の体毛、そして一番の特徴が夜でも光って見える赤い目。

 夜行性なのか、日が暮れた後、暗闇に紛れて想造者を襲い、その途中で日が昇れば逃げていく。

 その巨体と、暗闇の中、不気味に赤い目だけが浮かび上がる事から「赤目のビッグフット」ないしは「赤目」と想造者達には呼ばれていた。

 襲う上で、積極的に初めて使った創作の筆を狙う事から、このノラと遭遇して物語への参加権を失った想造者は少なくない。

 過去にも赤目のビッグフットが出現した事があり、倒されるまで多くの想造者を襲い続けた。

 倒しても再び出現するが、それでも次の出現まで最低5年のタイムラグが発生する。


 闇に身を隠す能力に長けている以外に、これといった特殊能力がある訳ではない。

 純粋な力の塊で、攻撃力防御力共に他のノラとは比べ物にならない能力を持つ。


 千代女学区ないしはその周辺において、物語におけるボス的存在として作り出される創像物だと想造者達には言われている。


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