第18話 王都防衛戦にて....

マリアたちはロロと合流して王都まで戻っていた。

グーツ砦から王都までの間に1つキャンプ地があり、立ち寄った際に兵から得た情報によると東の第2砦のルーン砦が落ち、東側のテアナ帝国方面が王都防衛戦に入ったと言う。

そのためマリアたちは少し駆け足で向かっていた。


王都を見下ろすことのできる丘まで目の前というとところで赤い閃光がマリアたちを照らした。

昼間だというのにその光は王都のある丘の向こうから一定感覚で光り、爆音があたりに響き渡る。

マリアたちは走って丘を登る。


丘から見えたものは王都ではなかった、王都のあった場所には6本足の背中に王城を背負った蜘蛛のようなものがあったのだ。

「何あれ」

4人は、一言そう言うと固まったように動かなくなる。

見ているとその蜘蛛は東の方角に向けて魔方陣を展開する。

すると魔方陣から赤い線が飛び少したつと線が通ったあとが爆音とともに爆破する。

ロロが何かを喋り出す。

「僕、昔聞いたことがあります。黒き蜘蛛の話を」

「なんだそれ」

ロバートが急かす。

「グリーン王国には、巨大な蜘蛛のような兵器がどこかに隠されていて王様の指輪によって動き出す、その蜘蛛の名前はプロト」

「待って、あれが古代兵器プロトなの!?」

「帝国兵が調べてたやつよね」

「あんなのどうしたらいいの?」

「それより王都のみんなは?」

「プロトの背中のって王城よね!じゃあ、みんなはプロトの中なのかな?」

マリアは思い立ったかのようにつぶやく。

「確かめよう」

「確かめるって近づくのかよ!」

「行こう」

マリアたちは丘を駆け下りプロトの足まで後ろから近づくことにした。


道中、プロトは帝国に向けて砲撃を行い周囲を明るく照らす。

プロトの足元まで近づくと足元は魔物が徘徊していた。

「最悪だ」

「これじゃあ、近づくことも出来ないじゃないか」

「でも足に入口なんてないよ」

「マリ-、いい方法があるけど聞く?」

クロエが得意気に提案する。

「私の魔導書の中に竜魔法があるのは知ってるでしょ!それとその中にドラゴンになる魔法も見せたよね!」

「飛べるの!?」

「竜魔法フライを併用すればいけるはず」

「行こう!王城に」

クロエはバックから魔導書を出して読み始める。

「開け、ストーリーオブドラゴン。竜魔法ドラゴンソール」

クロエはドラゴンとなる。

「みんな乗って」

3人は、ドラゴンとなったクロエの背中に乗る。

「竜魔法フライ」

ドラゴンとなったクロエの身体が光る。

クロエは羽根を広げて羽ばたき始める、徐々に浮き始め足が大地から離れる。

「うはあ、ほんとに飛んだよ」

そのまま、王城へと飛び去っていった。


王城内の中庭に降り立つとクロエの姿が元へと戻る。

「ここが王城かあ!」

「入ったの初めて」

「でも誰もいないね!」

「ちょっと奥に入ってみよ」

マリアたちは奥へと進む。

中庭を抜けると大きな扉があった。

ロバートは、大きな扉に手をかけると押し開ける。

ゴーっと大きな音をたてて扉が開くとその先には長くて広い廊下があり、その先には王座が置かれていた。

その王座には1人の男が座っていた。

グリーン王国国王イフレシオ王だった。

「何者だああああ」

轟音の如く声が響く。

その声とともに静電気のような赤い光が周りに弾ける。

マリアたちは、武器を構える。

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