三国大戦編

第15話 テアナ帝国が....

マリアたちは、課外授業の集合場所であるアルケミスト学院まで戻ってきていた。

学院内にある医療室にロバートを届けて2人は報告のため配属先の担当教師の教師まで向かっていた。


「アーデン先生だっけ?」

「そうよ」


階段を登りすぐの部屋の前に立つ。


「ここだね」

「簡単にさっさと報告しちゃおう」


ガラガラー

扉を開け中に入る。


「失礼します。F班マリアならびにクロエ入ります」

教室の中には若い青年が椅子に座っていた。

アーデンはこの学院で最も若い教師である。


「おおー、きたか」

「ロバートは現在負傷により医療室におります」

「3人とも無事でよかった。早速だが、報告を聞かせてもらってもいいかい?」


マリアたちは、ベアーの出現と魔道書保管庫のことを報告した。


「魔道書保管庫か。それはたぶんヘルストの庭と呼ばれる場所だろう。古代の魔道書などを封印してある幻想の場所とは聞いたことあるが、それ以外は何もわからない」

「ヘルスト...」


マリアはどこかで聞いたことがあるようにつぶやく。


「まあ、よくベアーや帝国兵相手に無事に帰ってきた。帝国兵はガンブレードを使ってることから将校クラスだろう」


紙に一連の調査内容をまとめてアーデンに提出する。


「ありがとう、これで終わりだ。ゆっくり休んでくれ」

「失礼します」


2人は教室をあとにし寮へと帰った。


同刻、グリーン王国北部テアナ帝国との国境付近の砦リガンド。

帝国は新型魔動兵器リールレーン25機、歩兵500人、指揮官神徒トルダ・ヘイスが率いる軍がリガンドを奇襲を開始した。

グリーン王国の兵は50人、錬金兵20人だった。

帝国軍は、魔動兵器リールレーンを使用し砦の上で構えるグリーン王国兵を薙ぎ払う。

新型魔動兵器リールレーンはリールと呼ばれる生命エネルギーを何らかの方法で抽出した弾薬を使い。

魔道弾を打ち出す兵器である。

かなりの大きさで2人で操作し使用する。

火力は、軽く人間が吹き消えるほどの威力がある。

グリーン王国兵は、錬金術を使用し盾に属性をエンチャントさせたもので防ぐがかなりの砲撃の威力に防ぐこともままならない。

また、攻撃手段が魔剣での近接戦闘がメインの王国兵には遠距離からの帝国兵の攻撃を防ぐ手段がなく次々と倒れていく。

帝国軍の神徒トルダは余裕の表情で指示を飛ばす。


「我々は奇襲で有利だがここまで弱いとはなぁ!」

「錬金術師は所詮ものづくりを主にしかできないやからです」


将校クラスの兵がトルダに返す。


「このまま、王都まで攻めるか」

「その前にもう1つ砦を落とさなければなりません」

「面倒だなー」


爆音が響く


一斉に砲撃が行われた音だ。


「こちらの勝利だな」


トルダは満足そうにつぶやき。

砦に向かって兵を動かす。

砦の外装は砲撃の雨により崩れ落ち王国兵は無残にもやられ多くの屍が転がっていた。


「我が神器を使うまでもなく終わるとは、つまらんな」


トルダは王国兵の死体を蹴り兵を呼ぶ。


「次の砦までの距離と方角を教えろ!」

「はい、次は王都前の砦であるグーツ砦です。距離は11マイル方角を南東です」

「ほーう、ギリギリ届くかなー」


トルダは背負っていた折りたたまれていた大きな弓を広げ、矢を持つ。

そしてその弓の中央に小型のリールをセットして矢を引くと物凄い音を出してリールをセットした下の辺りからワイヤーが出てアンカーを打つ。


「神器ハフィン。神の風撃である」


一言のあと手から矢が放たれ風を纏い飛んで行った。


「当たったかわかんないのがやだな〜」


アンカーを外し弓をしまう。


グーツ砦では、リガンドが陥落しこちらに帝国が進行してくる危険があるという知らせをリガンドの兵が飛ばした錬金伝術により知りかなり慌ただしくなっていた。

そんな中1人の兵が物音に気がつく、それは風が物凄い速さで駆け抜けるような高い音だった。


それに気がついた頃には遅かったのだ、矢は砦の壁の上で見張りをしていた兵を切り刻み砦内部にいた兵をも切り刻んだのだ。その攻撃により砦にいた7人がしに数名が負傷した。


このリガンドの陥落によりグリーン王国とテアナ帝国の大戦が開幕し後にマリアたちアルケミストたちが配備されるグーツ砦の戦闘が間もなく起ころうとしていた。

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