夢をみる

私の心の中には宝物があるはずだ


誰にも見せないで生きてきた

それは、愛とか優しさとか夢とか希望とか

そんな人様に言えるような素敵なものではなくて


こそっと、ひそっと

自分の中だけで大切にしていたと思う


たとえば、実は足の爪がきれいなのだけど誰も知らない

たとえば、耳たぶが片方だけ柔らかいのだけど誰も知らない

たとえば、たまに美しい音の耳鳴りがするのだけど誰にも教えない

たとえば、たまに面白い言葉を思いつくのだけど誰にも教えない


そんなつまらないことなのだけど、

自分を愛するために必要だったこと


世界がひっくり返っても

世界が壊れてしまっても


誰かが私を傷つけても

誰かが私に微笑んでも


私は私の中にある宝物を捨てたりしない

それが生きていくということ


自分を見失わないために宝物の夢をみる


私の心の中には宝物があるはずだ

それは、誰にも見せないし

それは、誰にも明かさないし

それは、本当なのか私にもわからない


私の心の中には宝物があるはずだ


それが真実だと夢をみる



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