異端者

ガルガード

予言

彼は予言した………天使と悪魔が争い勝つのは悪魔だと………人間にも天使にも悪魔にもなれないその青年は………自分はどの種族にも敵にならず味方にもならない………そう言いながら………



レイガーシュ視点


レイガーシュ「この世界に君臨するのは悪魔だ」


信者「なんだと?」


レイガーシュ「人間は欲に溺れ簡単に悪魔になる 天使の力は弱まった」


教会で突然乱入したと思ったらそんな発言をされて信者達は激怒


信者「突然乱入してきて神を罵倒か!!」


レイガーシュ「予言だよ 天使は負ける」


レイガーシュは極めて冷静な声でそう言い放ち教会から出ていく………すると他の信者達にものを投げられたが顔にあたる直前に弾け飛ぶ


信者「え?」


レイガーシュ「俺に物を投げても無駄だぞ」


「俺は人間じゃない」とレイガーシュは冷たく言い信者達を見下ろす………元々身長が高いのもあるが今はブーツを履いていて余計に背が高い


レイガーシュ「ただいま」


???「おかえり レイ」


レイガーシュ「早かった ウェルーシャ」


黒い服を身に纏い家に戻るとそこには仕事に出ていたたった1人しかいない仲間が戻ってきていた


ウェルーシャ「………予言か?」


レイガーシュ「明日には天使と悪魔が争い始めるだろうな そして最後に勝つのは悪魔だ」


ウェルーシャ「大方の理由は分かるがお前にはその先が見えるのか?」


レイガーシュ「見えるっていうか感じるんだよ」


レイガーシュ 見える訳では無いが身体が異変を感じ取るからすぐ分かる


ウェルーシャ「成程………と言うか室内に入ったし服脱いだらどうだ?暑いだろ?」


レイガーシュは夏であろうとなかろうと外出時は黒い服を身に纏いフードで顔の上半分を隠す


レイガーシュ「いや このあとまた出る」


ウェルーシャ「「客」か?忙しいな」


ウェルーシャの言う「客」とは「天使」と「悪魔」のことを指す


レイガーシュ「予言が来たからには2種族も来るのは必然だ 毎回うまい感じに時間をずらして来るからそろそろ行く」


ウェルーシャ「了解 今日飯は?」


レイガーシュ「昨日食べたからいい」


レイガーシュは基本一週間に1回食事ができれば良いので朝昼晩食べずに働く


レイガーシュ「行ってくる」


ウェルーシャ「行ってらっしゃい」


ウェルーシャに見送られてレイガーシュは天使と会ういつもの場所に行き天使を待つ


レイガーシュ「…………」


待つこと5分………翼を羽ばたかせる音が聞こえレイガーシュは無言


天使「予言者」


レイガーシュ「相変わらずその翼の音うるさいな 何とかならないのか?」


天使「無茶を言うな」


レイガーシュ 大きい音は苦手なんだ………


レイガーシュは音に敏感で大きい音は苦手


レイガーシュ「予言を聞きに来たんだろ?」


天使「我々が勝つか負けるかだけ聞きたい」


レイガーシュ「負ける 圧倒的な大差で」


天使の言葉に間髪を入れずに言うと天使の顔が曇る


レイガーシュ「お前はわかってるんじゃないか?どうして俺がそんなことを言うのか」


天使「……天使は余りにも不自由な上に愛も恋も全てを制限される……それに嫌気がさす者が多く天使の数が全盛期の八割を切った 対して悪魔は着実に力をつけている」


レイガーシュ 頭も現状の把握も良い奴で助かるな


レイガーシュは頭も良く現状の把握も出来ている天使が今日の相手でかなり話が楽


レイガーシュ「追加注文で割増するんなら助言をしてやる」


天使「その助言幾つある?」


レイガーシュ「2つ」


天使「4倍払う 教えくれ」


レイガーシュも基本予言と言えど金をとるので(でなければ生活できない)常に割り増しで妥協


レイガーシュ「まず1つ、悪魔は頭も良ければ筋金入りが多い分隙が多いからそれを狙え 2つ、人間界にいる「ルシファーの後継者」を悪魔よりも早く手に入れろ………でなければ天使は負ける」


天使「助言と予言を感謝する」


レイガーシュの言葉を天界に伝える事を仕事とするその天使はレイガーシュに礼を言い、キャリーケースを4つ置いて天界へ戻っていった


レイガーシュ 人間には「異端者」って呼ばれて天使と悪魔には「予言者」………どっちを真に受けるべきか………最終的にはどの種族に対しても味方にはならないけど………


レイガーシュら敵にも味方にもならない立場で求められれば助言をし予言をする………そんな人生で今まで生きてきた


レイガーシュ「相変わらず時間被らないな」


レイガーシュが考え込んでいると静かな音が聞こえ悪魔が来たのだと知る


悪魔「天使と鉢合わせすれば戦いは必須 お前に血を浴びせることになる」


レイガーシュ「お前ホント俺に血を被せたくないんだな」


天使と悪魔の戦いを予言するレイガーシュは戦おうとしないだけで本当は強く、武器を持たせれば天使と悪魔よりも圧倒的に強い


悪魔「お前の強さは知ってるからな」


レイガーシュ「そ ………場所を変えるぞ」


レイガーシュ 一旦キャリーケース置きに行きたいし………


天使と屋外で話すのは別に良いが悪魔とだと変に目立つので場所を屋内に移動


レイガーシュ「………予言と助言か?」


キャリーケースを置きに戻ったあといつもの店の個室に入ったレイガーシュは、上着を脱ぎつつも悪魔の足元を見てそう聞く


悪魔「その為に普段の倍の額を持ってきた」


レイガーシュ「お前ならわかると思うが戦いに勝つのは悪魔だ 助言は幾つ欲しい?」


悪魔「持っているだけ ルシファー様から巨額の金額を渡されている」


レイガーシュ 必死だな………


と思いつつレイガーシュは着席


悪魔「先払いをしておく」


レイガーシュ えぇ………(・ω-`;)


レイガーシュ「……この額助言を全て言っても足りる額だぞ?ルシファーは何考えてるんだ?」


悪魔「「いざと言う時は武器を使って欲しい」と仰っていた」


レイガーシュ つまり巻き込まれる可能性があるってことか………


レイガーシュ「………了解 助言な」


悪魔「頼む」


悪魔といえど礼儀はあるのかレイガーシュに対して礼儀正しい


レイガーシュ「天使側に「悪魔は頭も良ければ筋金入りが多い分隙が多いからそれを狙え 2つ、人間界にいる「ルシファーの後継者」を悪魔よりも早く手に入れろ………でなければ天使は負ける」と伝えた………これを考えた上で天使達は頭を使ってくるだろうが隙は作るな?隙に漬け込んで戦闘になられたらそれこそ不利だ………それと「ルシファーの後継者」だが近々人間界での奴隷市場で売られることが分かってる、そこで提示される後継者の最高額は500(10が100万と考えて5000万)………他の奴に言われる前に言えば確実に手に入れられるのは分かるな?奴隷番号は68番だから覚えられるはずだ………天使達は必ずしも刀か鞭(むち)、銃を使うから刀相手には複数で銃撃をし、鞭相手には長物の刀を使う者を分布し、銃相手には接近戦か銃の特徴をよく知る者が戦った方が効率がいい 恐らくルシファーの後継者はルシファー以上の力を秘めているから、育てるなら早い段階からルシファーの近くにいさせた方がいいな………あと天使達は翼が大きい分力があるが悪魔の力が掠りでもしたら堕ちる………つまり翼を集中的に攻撃しかすらせれば勝敗は悪魔側………悪魔は本当に首と心臓、急所以外では死なないから天使達よりも死にずらい上に戦うことには有利だ………あともう1つ助言するとなればかなりゲスいことだが………人間を盾にすれば天使達は戦えない」


悪魔「悪魔よりも悪魔らしい発言をしているぞ予言者」


レイガーシュ「最終手段だ 天使達は自尊心が高いから簡単には降伏しない」


悪魔「その手段を使わないで済むことを願う」


そう言って悪魔は席から立ちちゃっかり伝票を持って行って帰ってしまう


レイガーシュ「ちゃっかりしてんなぁ」


レイガーシュ だがそれくらいの収穫だったということ………


レイガーシュは悪魔とも天使とも顔が通じていて悪魔は天使との関係を黙認しつつ予言を求める


レイガーシュ ま いいか


いちいち考えていたらキリがないのでレイガーシュは巨額のキャリーケースを持って家へ


レイガーシュ「……散歩しよ……」


家に帰ってくるとウェルーシャは出かけているのか誰もいなかったので奴隷市場へ


奴隷商人「おや 予言者様」


レイガーシュ「よ」


奴隷商人「随分とご無沙汰していますね」


レイガーシュは時折奴隷市場に来ておりレイガーシュがどこかしらに触れた者は必ず売れる(半ば予言)


レイガーシュ「お前が「ルーウェイ」?」


ルーウェイ「予言者さん………」


一通り奴隷を見てルシファーの後継者を見つけたレイガーシュが話しかけると相手は頭を下げた


レイガーシュ「礼儀正しくて何よりだ」


そう言って頭を撫でつつもう1人の気になった少年の元へ行く


レイガーシュ「ふーん………成程」


レイガーシュは自分に一切の怯えを見せない少年に興味を抱き「力」を使って見てみる………すると面白いことがわかり奴隷商人を呼ぶ


奴隷商人「いかがなさいましたか?」


レイガーシュ「こいつの最高額いくら?」


奴隷商人「超能力者ですので1000(1億)です」


レイガーシュ「最高額を3000にしろ 必ず買う奴がいる」


とレイガーシュが奴隷商人に交渉すると奴隷商人はにこやかな顔で快諾


奴隷商人「畏まりました」


レイガーシュ「こいつ何番?」


奴隷商人「89番です」


レイガーシュ「了解」


そう言ってレイガーシュは少年の頭を撫でてその場を後にする………






レイガーシュの予言は必ず当たる………それを信じるものが極端に少ないだけで………

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