第2話

「ねえ、お兄ちゃん!」

「ん?なんだ?」

「私って、世界一可愛いよね!」

「はは、そうだね」

この地区ではね。

そう、俺の妹近藤咲こんどうさきは、可愛い可愛いと地区のおじさんたちにちやほやされているから、自分のことを可愛いと思っているのだ。

………まあ、可愛くはあるけどね。でも自分で、可愛いって言ったら台無しな気がするけどね。

それにこの妹ときたら……………

「ねえ、お兄ちゃん!いつになったら、私と結婚してくれるの?」

俺のことをとして見ているのだ。

「はあー、これで何回目になるかわかんないけど、俺たち兄妹だよ。だから、結婚できないの」

「そう?だって、お兄ちゃんが持ってるラノベ?だっけ?それだと兄妹で結婚出来てるよね?」

「それは、二次元だからで、ここ二次元じゃないからね!」

「そうかなー、私の知識のよると、日本以外の国だと兄妹婚も認められているところもあった気がするんだど?」

そして、俺の妹は、頭がいいからまためんどくさい方向へと。

「そうなのか?でも、俺日本からに出るつもりないから」

「えー、行こうよ。私の未来のためにさ!」

「はいはい。じゃ、俺寝るから、お休み」

そして俺は、睡眠に入るのだった。


そして、次の日の朝。

なんということか、俺の下駄箱に手紙が入っていた。

な、なにこれ!ま、まさかラブレター⁉

いや、待て早とちりはいけない!

まずは、中身を見ないとな。

「えーと、なになに、今日の放課後屋上に来てください。屋上に来てくださいだって⁉」

こ、これってラブレターじゃん!

ってことは、告白⁉つ、遂に俺にも春が来るのか!

そんな風に浮かれていた俺の後ろから誰が声をかけてきた。

「よ!その手紙なんだ?」

「こ、これのことか!な、ななんでもないぞ!」

我ながら動揺し過ぎな気がする。

「そうか。遂にお前にも春が来るわけだな。じゃ、先に教室行ってるからさ」

「そ、そんなんじゃねえから!」

「はは、そうか」

そう言って俺を置いて行ってしまった。

ちなみに、俺のことをからかってきたのは、学校ではイケメンで名が通っているほどの人気者の福山純ふくやまじゅんだ。


今日の授業は全く耳に入ってこなかった。

なんたって、初めて告白されるわけだからな!

俺は、普段は、授業が終わってもなかなか教室から出ようとしないのだが、今日は、一直線に教室から出て、屋上へ行った。

そして、2時間後。

俺が、屋上にいた。

もう、帰ろうかなー。いや、駄目だ、だって俺を呼んでくれたんだぞ。それなのに、帰るのは違うよな。

そんな時だった。

「遅れてすいません!」

そう言って1人の女の子が入ってきた。

私は、今日人生初めての告白をする。

でも、そんな大事なことなのに、私は、2時間遅れで、屋上に今向かっている。

なんで2時間も遅れることになったのかというと、思いの他風紀委員の仕事が長引いてしまったから。

だから、今こうして向かっている私は、不安で一杯だった。

だって、初めての告白を失敗してしまうから。

そして、屋上の扉を開けた時私に見えたのは、間違いなく私が小学校の時に好きになった男の子だった。

そして私はこう言うのだった。

「すいません!」

と。

すいません!そう聞いて俺は、ほっとした。

これがいたずらじゃないだと分かって。

女の子は、階段を走ってきたのだろうか。

息を切らしていた。それと、汗を掻いていたから…………まあ、そこは言及しないとしよう。

それから、10分後。

女の子は、やっと落ち着いた。

「あのー、本当にすいませんでした!」

「ああ、いいよ。俺だって30分前に来たし。だから、君だけが遅れたわけじゃないから」

「じゃあ、お互い様ですね」

まあ、本当は時間通りに来てましたけどね。

「じゃあ、本題に入りますよ」

「はい」

よし!やっときたぞ。この時間が。そしてこの後、俺はリア充になるのだ!

そして、このあと俺は、大っ嫌いと言われてしまうのだった。

あれ?おかしい気がするぞ。俺のリア充ライフは。どこ行った?

私が謝ったら彼は、こう言った。

30分前に来たからと。

でも、私はそんなのは嘘だと思った。

だって、私が好きになった男の子は、時間をしっかりと守る子だったから。

だから、多分これは私がそんなに遅れてないと思わせてくれたんだろう。

そして、私は告白をした。

「貴方のことがずっと前から嫌いでした」

と。

私はなにを言っているのだろうか。

私が確かに、この男の子のが好きなはずなのに。

そして、彼はこう言った。

「あ、そうですか」

と。あ、そうですかってなんですか⁉なに、そんなに私に告白されたこと嬉しくないの?

でも、私は諦めないからね。

そして、私は、また今度と言って屋上から出て行こうとしたのだけど、私は全然違うことを言ってしまった。

──貴方のことなんか、大っ嫌いです~~~~と言ってしまった。

本当私って根性がないと思う。

それに、素直になれない。私はそんな自分が嫌いだ。

あの謎の嫌いと伝えてきた告白が終わったあと、俺は、屋上で寝転がっていた。

「ああー、俺にも遂に彼女が出来ると思ったのになー。やっぱり、俺の勘違いか」

そうは、言いつつも俺は、やっぱり、悲しかった。

人生初めての告白がこんなに感じに終わってしまったことが。

そんな時だった。

屋上の扉が開いたのは。

そして、そこに立っていたのは純だった。

「純?なんでこんなところに?」

「なんでってさっき風紀委員長がまだ、仕事が残ってるのに、終わったと思って、すぐに走って行ったからさ、呼び戻さないとっと思って追いかけたわけ。そしたら、昌幸が告白されてるところに出くわしたの」

「じゃ、じゃあ全部見てたのか?」

「ああ、貴方のこと」

「それ以上言うな!悲しくなるだろ!」

「はは、そうか。じゃ、帰ろうぜ」

「そうだな」

そして、その日は純と2人で帰った。

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