第2話

「えっ?…本当に?」

「えぇそうよ。かっこいいお父さんができるわよ。」

別に義理のお父さんにかっこよさは求めていない。

「…どんな人」

「そうねぇ。私より1つ年上で、職業は普通にサラリーマンよ。身長が高くて紳士な人よ。あ、彼も確かバツイチね。」

私はそこまで背は高い方ではないので、高い人は話すとき首が疲れるので少し嫌だ。

それ以上に嫌なことがあった。結婚するということは、その人と同居する、可能性が高いということだ。

私だって思春期だ。血の繋がらない義理の親なんて、嫌に決まってる。

「あんまり…してほしくない。」

「でももう決まっちゃったことだし…ごめんなさいねぇ、高校卒業したら出ていっていいから。」

再婚がなくともこんな家、1秒でも早く出て行きたいくらいだ。そう思いながら私は、無言で自分の部屋に向かった。

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義理双子 春海 @halumiumin-usa

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